ロールシャッハテストB

まさみの18禁オリジナルBL小説ブログ。

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十四話

 『Which are you?』
 悪い夢なら覚めてくれ。
 「精一杯抵抗しろよ、ロン。じゃなきゃ面白くねーからな。涎たらさんばかりにギャラリーがお待ちかねだぜ」
 願いは報われなかった。
 ハッと目を開く。暗闇。目隠しの向こう側でレイジが動き、手に力を入れて俺の足をぐっと押し開く。
 何されるかわかった。背筋を駆け抜ける戦慄。
 「!やめっ……、」
 肛門に熱い舌が触れた。レイジの舌。
 目が見えなくても体が覚えている、レイジの舌の熱さと感触をばっちり記憶してる。目隠しの向こう側で起きてることを想像したくなくてぎゅっと目を閉じるも、レイジが俺のケツの穴を舐める光景が瞼裏に勝手に浮かび上がってくる。
 ぴちゃぴちゃと下品な音。泥水を啜る音。
 レイジはわざと音たてて俺のケツの穴を舐めてる、俺がクソをひねりだす場所を何ら抵抗なく、むしろ嬉しげに舐め腐ってる。
 ぴちゃぴちゃくちゃ。執拗に唾液を捏ねる音が羞恥心を煽り立てる。
 「はっ、ふっ、レイ、ジ、やめ……そんな汚いとこ舐めんなよ、クソひねりだす場所だぜ、よく口つけられんなお前……」
 俺の憎まれ口で萎えればいい、犯る気をなくせばいいと嫌味を言うがレイジは取り合わない。俺の考えてることなんかはなからお見通しだとあざ笑ってケツに舌をつける。
 「あっ、ひっ、ふぁ………」
 「ケツ舐められて感じてんのか、台湾の雌猫の落とし子が」
 「うっすら頬赤らめて丸めたつま先でシーツ蹴り付けてたまんねえ、さっきイッたばかりなのにもう勃ってきた」
 「また顔にぶっかけてやれば?レイジが掘ってる間に無理矢理口開けさせて飲ますのもいいな」
 目隠しの向こうで空気が不快に揺らぐ。
 失笑の気配。喉の奥で濁った笑い声を泡立てる看守たち。
 体がカッと熱くなる。嫌だ。百歩譲ってレイジに犯られるのは許すとしても人前でヤられるのは絶対嫌だ、それだけはごめんだ。
 欲求不満の看守どもの野次と罵声とザーメン浴びながら股おっぴろげてケツ振りたくって痴態をさらすなんざお断りだ。
 「ひとに、見られるのは、いやだ……っあふ……人前でヤる趣味、なんか、ねえよ……なんで俺が、コイツらの前で股おっぴろげて声聞かせてオカズ提供しなきゃいけねえんだよ……レイジお前、本当にどうかしちまったのかよ……俺がコイツらにイくとこ見せて、笑って許せるのかよっ……」
 充血した襞をかきわけ舌が潜り込む。
 発情した軟体動物めいて卑猥に蠢く舌が、さんざん指で馴らされ唾液を塗りこまれて女のアソコみたいに潤った直腸を執拗にほじくりかえす。
 恥ずかしい。悔しい。
 枕元で俺を品評する看守のやりとりが聞こえる。
 「処女のアソコみてーに綺麗なケツマンコ」
 「ケツマンコは下品だ、アナルヴァギナって言えよ」
 「どう違うんだそれ、英語にしただけじゃねーか」
 ……全員殺してやりたい。八つ裂きじゃ足りない、手榴弾で微塵にしてやる。殺してやる殺してやる殺してやる。体の中で殺意が暴走する。全身の血管がどくどく脈打って脂っこい汗が噴きだす。
 火照った体に視線が突き刺さる。
 俺に注がれる熱っぽい視線……欲情に濡れた視線。 
 「暴君が許す。イくとこ見せてやれよ」
 「ひあ、熱、ひっ……」
 レイジの、声。違う、これは……俺が知ってるレイジの声じゃない。 冷酷な暴君の声。
 肛門の奥に潜りこんだ舌が抜かれ、俺の膝裏に手をいれてぐいと尻を上げさせる。ぷっくり充血した肛門が外気に晒される。
 暴かれた襞、内臓の粘膜。
 肛門の縁は湿り気を帯びて赤く染まり、レイジの指でかき乱されるたび更なる刺激を求めていやらしくひくつく。勿論俺の目には映らない。だけどわかる、俺が今どんな恥ずかしい格好をとらされてるか想像したくなくても勝手に浮かび上がってくる。
 「もっといやらしく鳴けよ。声を聞かせてやれ」
 上気した肌を這いまわる無遠慮な視線……看守の視線。
 生唾を嚥下する音、衣擦れの音。
 かすかに鼻腔を突くこの匂いは……青臭くて生臭いザーメンの匂い。視覚を奪われた俺は、異常に研ぎ澄まされた聴覚と嗅覚と触覚で今自分の身に起きてることをくっきり鮮明に感じ取る。
 どうせなら視覚だけでなく聴覚で嗅覚と触覚も奪ってくれたらよかったのに。俺の耳がなければレイジのこんな声聞かずにすんだ、俺の鼻がなければこんな匂い嗅がずにすんだ。俺に皮膚がなければこんな……
 『………我不対。想和好』
 襞が暴かれた肛門に熱く脈打つ塊が押し当てられる。
 レイジのペニス。俺のそれとは比べ物にならないくらいでかくて、性器というより凶器に近い長さと太さを兼ね備えたペニス。
 こんなもんで貫かれたら死ぬんじゃないか?
 怖い。滅茶苦茶怖い。嫌だもう嫌だ助けてくれ勘弁してくれレイジ許してくれ、初めてじゃない、レイジとはもう二回ヤった、でもまだ三回目だ、三回目がこんな形なんて嫌だ、看守が笑いながら見てる前で暴君化したレイジに犯されるなんて嫌だ!
 浮気は誤解なのに俺はレイジ以外の誰とも寝てねえのに何でこんな目に遭わなきゃいけないか誰か教えてくれ鍵屋崎教えてくれお前は賢いからわかるはずだ、納得いく説明をしてくれるはずだ!

 畜生。
 ちくしょう。なんで俺の話を聞いてくれないんだよ。

 「なんて言ったんだ?台湾語わかんねーよ、英語でしゃべれ」
 レイジに気持ちが伝わらないのがもどかしい。
 一方的に怒りをぶつけるだけのレイジに腹立たしさが募る。俺は目隠しの内側で目を閉じ呼吸を整える、激情の濁流に押し流されて大事なことを見失わないように今いちばんレイジに伝えたい言葉を模索する。
 「だんまり決め込むなら訳してやる。『Fuck me』だ、そうだろ。『Hurry up』かもな」
 暗闇の向こうで相棒が笑う。この上なく楽しそうに笑う。
 いつになったら悪夢から抜け出せるんだろう。
 次に目を開けたら全てが何もかも元通りになってるといい。
 これは悪い夢だ。明日になれば何もかもまた元通り、食堂でレイジとふざけあって箸が目に刺さりそうになって鍵屋崎に注意されてサムライはその隣でぶすっと黙り込んで、そんな毎日にまた戻りたい。戻れたらいい。大好きな仲間と過ごす日常を取り戻せるならそれでいい、他には何も望まない。神様、願いを叶えてくれ。
 俺のレイジを、返してくれ。
 「俺が悪かった。仲直りしてくれ」
 笑い声が唐突にやむ。空気が硬化する。
 馬鹿みたいだ。
 こんなガキっぽい言葉しか見つからないなんてと自分の学のなさが哀しくなる。鍵屋崎ならきっとこの場に相応しい言葉を見つけられたのに、この場に相応しい謝罪の文句を引っ張り出せたはずなのに……
 でも。
 俺はあいつと違って馬鹿だから、こんなふうにしか言えない。
 『弥是我的好朋友。我愛弥、不想分別……』
 お前は俺の相棒だ。大好きだ。別れたくない。
 瞼が熱くなる。涙腺が緩む。泣きたくなんかないのに勝手に涙がでてくる。鼻水も一緒だ。涙と鼻水が一緒くたに鼻腔の奥を流れ落ちる。塩辛い。俺はレイジの相棒だ。レイジが好きだ。別れたくない。今でもそう思ってる、これからもそう思っていたい。
 だから、

 熱い塊が中に押し入ってきた。

 「同情引こうってのか?」
 「あっあああああああああああああっ、あっ、ひあああぎ………!!?」
 言葉は続けさせてもらえなかった。
 レイジが俺の膝裏を押し広げて強引に中に入ってきた。
 激痛なんてなまやさしいもんじゃない。いくら舌と指で馴らされていてもペニスを突っ込まれる衝撃は火箸で内臓をかきまぜる苦悶をもたらす。背骨がへし折れるほど体が仰け反り、喉から絶叫が迸る。
 内臓が、内臓が出る。
 鼻の穴と眼窩から内臓が出る。
 苦しい助け熱い溺れ息ができないお袋、母さん、ごめんなさい許してこれから言うこと聞くから逆らわないから今俺の体にぎちぎちに入ってるコレを抜いてくれお願い頼む抜いてくれ!!
 内臓を串刺しにされる苦悶にのたうちまわる俺の頭上で笑い声が炸裂、唾だかザーメンだかわからない汁が顔にとびちる。
 「さすがにレイジのモンはきついか。よく馴らしたから血はでてねえけどそれにしちゃ大袈裟な痛がりようだな。まさか処女だなんてオチはねーだろな」
 「見ろよ、根元までずっぽり入っちまった」
 「腹ん中ぎちぎちだな。苦しくて呼吸できねーか。ペニスが喉まで突き抜けちまいそうってか」
 「うあ、ひあぐ、あ……」
 体がばらばらに引き裂かれる。苦しい、息ができない。レイジの背中に爪を立てる。爪が肉を抉る。思考が纏まらない。レイジが俺の中に入ってる。ベッドのまわりで看守が笑ってる。俺がレイジに犯されるとこ眺めてげらげら笑ってやがる。
 「はっ………ふあっ、あ………」
 意識が朦朧とする。濡れた前髪が額に被さる。
 俺の上でレイジが動く。俺の内腿をさぐり性感帯を刺激し快感を高めペニスを出し入れする。最初は痛いだけだった。でも、レイジに太股をなでられて気を散らされて甘い声を上げる自分に気付いた。
 「一回目より二回目、二回目より三回目。だんだん感度が良くなってくるな。人に見られて興奮してんのか?すごいぜロン、お前のペニスもう先っぽから滴ってる。さっきイったばっかなのに恥ずかしくねーのかよ。見られて勃つなんざお前もタジマと同じ変態だな」
 「違っ……タジマと、一緒に、すんな……ひぅぐ!!?」
 腰の動きが激しくなる。
 「黙れよ淫売。淫売は淫売らしく俺に組み敷かれて喘いでりゃいいんだ、人間サマの言葉話そうとすんな」
 ペニスに指が絡む。ケツに突っ込む傍ら俺のペニスをしごきだすレイジに抵抗する術はない。快感が二倍になる。もう殆ど痛みは感じない。火箸でかきまぜられた内臓がどろりと溶けて体奥で沸騰、ペニスが奥を突くたび襞をかきむしるたび体の奥で何か得体の知れない生き物が蠢いて……
 「レ、イジ、はっ………熱っう……体、きつ……」
 怖い。俺が俺じゃなくなる。俺の中に別の生き物がいる。
 俺が俺じゃなくなるのが怖くてレイジの背中に爪を立てる。そうやって何かに縋り付いてないと下半身で渦巻く濁流に押し流されて返って来れなくなりそうで俺は必死だった。
 なんでこんなことになったんだ。
 俺は浮気なんかしてない。レイジはなんで信じてくれない。俺をあざ笑う看守への殺意とホセへの殺意、看守の目の前で股おっぴろげる屈辱と恥辱、レイジに裏切られた憤怒、絶望……体の奥底にどす黒いうねりを感じる。憎しみ。俺は、レイジが憎い。俺は今までレイジに騙されてたのか、レイジの本性を知ったかぶったしっぺがえしをされたのか?本当はレイジのことなんか何ひとつわからないくせにわかったふりして、当たり前に相棒ヅラして、だから……
 「………!っあ、」
 え?
 目隠しの向こうで声がした。レイジの、声。妙に艶っぽい喘ぎ声。
 「お前、どうし……」
 口に手が被さる。
 「………なんでもねえ。黙ってろ。お前の締め付けが良いから、ちょっと興奮しちまっただけだ」
 どこか無理した声に違和感が募る。相変わらず視界は暗い。
 目隠しに遮られてレイジの顔は見えないが、余裕ない声から多分、苦痛に顔を歪めてるだろうと想像できた。ぎしりとベッドが軋む。律動的な腰振りで俺の中に灼熱の杭を打ち込みながら、レイジが切れ切れに声を漏らす。
 「はっ………っ、あくぅ……」
 背筋がぞくりとする、それだけでイッちまいそうに壮絶に色っぽい声。痛みを堪えてるのか快楽に抗っているのかどちらとも付かない声。蜜の滴るような艶を含んだ喘ぎ声が噛み締めた唇から漏れ、レイジの動きが急激に失速する。なんだ?俺の見えない場所で何が起きてる?
 とてつもなく不吉な予感。
 レイジは俺の内臓を杭で貫いたまま完全に動きを止めてる。
 獣じみて荒い息遣い、時折漏れる喘ぎ声。
 「どうした?続けろよ」
 ぎしぎしとベッドが揺れる。錆びたスプリングが耳障りに軋む音。待て、おかしい。レイジは俺の腹の上で停止してる、なのになんでベッドが揺れてるんだ?今にも壊れそうに軋むベッドの上、俺とレイジ以外の誰かがレイジの背後に回っているのに気付いたのはその瞬間。
 レイジの首に通した手が、誰かにぶつかる。
 そいつはレイジの背中にぴたり腹を密着させて乱暴に腰を動かしてる。誰かはすぐにわかった。俺とレイジ以外に今この房にいる奴ときたら決まってる……看守だ。服を脱いでレイジの背中に覆い被さったそいつが何してるか、獣の交尾に似た不自然な体勢とぐちゃぐちゃ濡れた音でわかってしまった。 
 看守が後背位でレイジを犯してる。
 「………………っ……………!」
 これは。さっきから続いてるこの音は、レイジが俺に杭を打ち込む音じゃない。レイジの後ろの粘膜を犯す音だった。俺と看守に挟まれて無理な体勢をとらされたレイジは、それでも言われた通り行為を続けようとして、肘が砕けて上体を突っ伏す。
 そうか。
 レイジはずっと、最初から、俺を犯しながら看守に犯されていたのか。
 それがバレないように演技していたのか。
 「レイジ、お前……なに、やってんだ」
 喉元で吐き気が膨れ上がる。その間も音は続く。ぎしぎしとベッドが軋む音、噛み殺すような喘ぎ声、粘膜と粘膜が絡み合う淫猥な水音……そして俺は激しく暴れたせいで目隠しが下にずれてきているのに気付き、ちぎれんばかりに首を振る。
 あともうちょっと、もうちょっとで今何が起きてるのかわかる。やめろ、と誰かが叫んだ。無視。激しく首を振り続けた努力の甲斐あって目隠しが鼻梁にずりおち、視界に被さった闇が払われる。
 目隠しの向こうにあったのは。
 あったのは………。
 『Do not look…you close your eyes』
 首筋で光る黄金の玉。シーツの上で輝く十字架。俺の腹の上にのしかかる体……広い肩幅と、胸板と、腹筋と。彫刻めいて均整が取れた黄金率の体。しっとり汗ばんだ褐色肌。明るい藁色の髪はぐしゃぐしゃに乱れて頭の上で跳ね回ってる。無造作に寝乱れた藁色の髪の下、顰めた眉間、半分ずれた眼帯、固く閉ざされた隻眼……血が滲むほど噛み締めた唇から僅かに覗く真珠色の犬歯、艶めかしい舌。
 そして、褐色の肌に映える白濁。
 レイジの髪にも背中にも肩にも腕にも腹にも太股にも大量に浴びせ掛けられた白濁。精液。膠のように額にへばりつく前髪。飲み干しきれなかった精液が口の端から喉へと滴っている。眼帯にも精液が付着してる。どこもかしこも男が出した白濁に塗れたレイジ、俺が目覚めるまでに何回陵辱され何人に犯されたか見当もつかない。
 「王様の言うことは素直に聞いとけよ。悪い子はキライになるぜ」
 レイジが力なく笑う。 
 「お前、嘘、そんな……なんでこんなことになってんだよ、おかしいよ絶対、お前その顔の白くてねばっこいのはなんだよ誰にぶっかけられたんだよ!!?お前らかお前らがレイジを犯ったのか、俺が気を失ってから目が覚める間のレイジを犯りまくったのはお前らなのかって聞いてんだ、答えろ所長の犬ども、俺のレイジに汚ねえザーメンぶっかけて犯りまくったのはお前らなのかよ!?」
 嘘だ。嘘だ嘘だレイジがこんな、
 「大当たりだ。何も知らなかったのはお前だけだぜロン」
 嘘だ。
 「バレちまったんならもういいや、見せつけてやれ。おい、お前らも来い。王様の体で一緒に楽しもうぜ」
 やめろやめろやめろやめてくれ俺の前でそんな、
 「そんじゃお言葉に甘えて」
 「お前はそっち回れよ、乳首をいじってやれ。ねちっこくな」
 「すげえピアス。コイツの耳朶金属の味がする」
 「ケツはどうだ。さんざん犯りまくってぐちゃぐちゃのがばがばになった頃合か」
 「まだ全然イケる。前を嵌めてるのがいい刺激になってケツも締まってる。二本挿しもイケそうだ。試してみるか」
 一人、二人、三人。三人の看守が無抵抗のレイジに手を伸ばし組み伏せる。体の裏表を無遠慮に執拗に這い回る手、手、手……
 俺が呆然と見てる前で看守三人がレイジに絡みつく、一人が背中にのしかかってペニスを突き入れてもう一人が乳首をいじくってもう一人がちょうど俺の顔を跨ぐ形でベッドに立ち塞がってレイジの前髪を掴んで顔を起こさせペニスをしゃぶらせる。
 「っ、ぐ………またフェラかよ……よく飽きねーな」 
 「減らず口叩いてる暇あんなら奉仕しやがれ」
 顎が外れそうなほど大口開き、喉の奥までペニスを咥えこむ。ベッドに寝転がった俺の位置からは、赤黒く勃起した看守のペニスとそれをしゃぶるレイジがよく見えた。
 俺の腹の上に豹がいる。
 綺麗に筋肉が付いた肢体をくねらせ、滑らかな褐色肌に汗を光らせ、苦痛に耐える表情も艶めかしく上の口と下の口に男を受け容れている。背後の看守が激しく腰を振れば、それに連動して顔が揺さぶられ口腔のペニスを刺激する。三人目の看守はゆるやかにレイジの太股をなでている。
 「っあ、は、ふ………さすがに疲れてきた。俺も若くないね」
 息継ぎ、レイジが自嘲的に呟く。
 「レイジから離れろよ畜生!!お前らだれに断って俺のレイジにしゃぶりついてんだよやめろよそんなことしてただで済むと思ってんのかよ、相手は東京プリズン最強無敵の王様だ、そんなことしたら倍返しで仕返しされるってお前らわかってんのかよ!?レイジお前もなんとか言えよ抵抗しろよ黙ったままされてんじゃねえよ、全然らしくねえよ王様!!」
 俺のレイジから離れろくそったれども殺してやる絶対殺してやるクソ所長のクソ犬ともども殺してやる!!手首さえ縛られてなけりゃレイジを弄ぶ看守を殴ってやったのに、レイジにフェラチオさせて犬みたいにはっはっはっはっ言ってる変態やレイジに突っ込んでる変態やレイジの太股をなで勃起してる変態を殴ってやったのに!!
 何だよ何だよついてけねえよ、なんでレイジが犯されてるんだよ輪姦されてるんだよ。誰か説明してくれ。
 「………!っぐ、」
 看守がレイジの口の中で射精する。レイジはそれを飲み込む。喉仏がごくりと動く。ザーメンを飲み終えて薄っすら目を開ける。硝子めいた薄茶の目が虚空をさまよう。弛緩した唇から一筋白濁が滴る。
 「ちゃんとやれよ。ロンが退屈してるだろうが」
 レイジを貫く看守があざ笑う。
 「お前が続けないなら俺が代わるぜ。中途半端で放置しちゃ可哀想だ、可愛いロンをイかしてやるよ」
 「馬鹿、言えよ。ちょっと休んでただけだ。不死身の王様だってぶっ続けでヤってりゃ息切れするんだよ。いいか?この世でロンをイかせられるのは俺だけだ、他の誰にもロンを渡してたまるか、ロンを天国にイかせるのはロンのいちばんいいとこ知ってる俺じゃなきゃだめなんだよ」
 喘ぎ声を噛み殺して言い切り、再び俺にのしかかり、動きを再開する。
 「ひあっい………!!」
 レイジが手荒く俺を揺さぶる。体奥の粘膜とペニスが擦れて激烈な快感が駆け抜ける。俺はめちゃくちゃに腰を振りながらレイジにしがみつく。ベッドが壊れる。俺も壊れる。
 「あっあっあっあっああああああああっあああっああっあ……ひあっあっ!!」
 「イけよ。天国の門を叩いて神様に挨拶してこい。fly high,sky highだ」
 全身汗と白濁にまみれ、虚ろな表情でレイジが耳元で囁く。レイジの背中に被さった看守が低い呻き声を漏らして果て、レイジの中に生温かいザーメンをぶちまける。
 「あっああっ……」
 体奥に広がる生温かい粘液が刺激となり、絶頂を迎える。
 絶えず蜜を滴らせていたペニスの先端から白濁が放たれる。肩で息をするレイジ、その表情に魅せられる。
 長い睫毛が震え、見開かれた目が潤う。射精に伴う生理的な涙、絶頂に達したしるし。うっすら涙ぐむレイジの下、俺の下半身でうねっていた熱が捌け口を求めてペニスの先端に集まる。
 「あああああああああああっあああああああっ……!!!」
 頭が真っ白になる。背骨がへし折れそうに体が仰け反る。
 股間に粘ついた感触……俺が出した物が内腿に滴り落ちる。
 「相棒と一緒にイくたあ仲いいな、コンビの呼吸ぴったしってか!」
 「気持ちよかったかロン。感謝しろよ、王様に。お前だって内心喜んでるんだろ、フェロモン垂れ流しで無意識に男誘ってる王様が俺たちに犯られてイくとこ見れてペニスから涙流すほど喜んでるんだろ?」
 違う。喜んでなんかない。興奮するわけない。
 俺が泣いてるのは違う、レイジに犯されたのが悔しいからじゃない、目の前でレイジが犯されてるのに何もできなかったのが悔しくて悔しくてたまらないからだ。レイジが犯されてる最中に何もできなかった俺自身に視界が真っ赤に煮える憤怒と殺意を覚えたからだ。
 寒々しい房に三重奏の笑い声がこだまする。
 俺の腹の上でレイジはぐったりしてる。俺は手首を縛られてベッドに転がされたまま涙と鼻水とザーメンを一緒くたに垂れ流すばかり。
 股間と内腿が気持ち悪い。最低にみじめな気分。
 「恨むなよレイジ。『約束』だもんな」
 ズボンを履きながら看守が言う。
 「俺たちは所長の言う通り約束を守ったまでだ。最初からそういう約束だったもんな。ロンを俺たちに輪姦させるか自分がロンを強姦するか二つに一つ、究極の選択だ」
 え?
 「俺たちゃ別にロンを美味しくいただいたって一向に構わなかったんだが、お前が後者選んで内心ガッツポーズきめたよ。口だけ達者な子猫ちゃんはいつでも犯せるけど、東棟をシメる無敵の王様を味わえるチャンスなんかそうそう巡ってこねえからな」
 「ツラだけじゃなく体の奥の奥まで絶品だったよ、お前は」
 「ロンを強姦しながら俺たちに犯される、それが所長のお望みだってんなら上司思いの俺たちゃ是が非でもねえ。しっかしレイジ、お前相当コイツにイカれてんな。天下無敵の王様がたった一年と半年で骨抜きにされちまったってんだから笑えるぜ。そうまでして俺たちに奪われたくなったのかよ、ロンを。独占欲強え王様だな」
 看守が言いたい放題言いながら制服を身に付ける中、ベッドに突っ伏したレイジは死んだように動かない。
 「俺を、守るために?最初から、俺を庇って?」
 レイジは答えない。返事ひとつしない。酷くされて気を失ってるのかもしれない。
 ベッドに倒れ伏せたレイジにおそるおそる近寄り、肩を揺する。
 肋骨の檻の中で心臓が暴れ、どす黒く煮え滾る血液を全身に送り出す。看守の言ってることが本当かどうか頭が麻痺して思考が先に進まない、冷静な判断ができない。じゃあ最初からレイジは嘘で、嫉妬に狂った暴君を演じていて、それ全部俺を守るために……
 
 『暴君が許す。イくとこ見せてやれよ』
 目隠ししてたらわからなかった。
 『同情引こうってのか?』
 あの目隠しは、表情を読まれて本心がバレるのを避けるための措置で。
 『見るな……』
 レイジは俺のせいで――――――――――――

 手の下で肩が跳ねる。
 精液が絡んだ前髪を額に纏わり付かせ、緩慢な動作で起き上がったレイジが傍らに座り込む俺に気付き、笑顔で向き直る。
 何かが吹っ切れた笑顔。
 「こん位たいしたことねえよ。俺、余興で軍用犬とヤらされたこともあるんだぜ。だから別に所長のクソ犬にヤられても良かったんだ、お前が余計な口出し手出しさえしなきゃ全部丸くおさまってたのによ……」
 あまりに自然体で、恐ろしい笑顔。
 俺の喉の奥で何かが膨張破裂していつのまにか喉から絶叫が迸って俺は俺はレイジの笑顔が怖くてたまらなくて、ああコイツは本当に狂ってる狂ってるんだと肌でびりびり感じて 

 「ああああああああぁあっあああああああああああぁああああああぁっあっあっ!!」

 同時に。
 俺の絶叫をかき消す大音量で火災警報装置が鳴り響いた。

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少年プリズン(未完) | コメント(-) | 20050521052807 | 編集
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