ロールシャッハテストB

まさみの18禁オリジナルBL小説ブログ。

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三話

 「ロンが犯されるか自分が犯されるか、今ここで選びたまえ」
 兄弟揃って狂ってやがる。 
 自分が助かりたければ俺を見殺しにするしかない、俺を助けたければ自分が犠牲になるしかない。
レイジの顔が凍りつき、見開かれた目から感情が消失。レイジの前髪を纏めて掴んだ所長の顔には邪悪な喜び滴る笑み。
 俺を庇って自分が犯されるか、俺を見殺しにして自分が助かるか激しい葛藤に苛まれ苦悩に閉ざされたレイジの顔を至近距離で観察し嗜虐心を疼かせている。
 前髪を毟られる激痛にも増してレイジの顔を歪ませる過去の記憶、思い出すのもおぞましい出来事の記憶。
 現実にあった悪夢。ほんのガキの頃、レイジは組織から逃亡を企てた。母親と二人生きる道を探して無謀にも外へと飛び出した。
 ガキの浅知恵と笑いたきゃ笑えばいい、レイジはその頃必死だったのだ。
 ただ母親と二人平和に暮らしたくて、ささやかな幸せが欲しくて、「普通」の生活に憧れて、自分たち親子を束縛する組織の監視の目が届かない場所へ逃げようとした。レイジは必死だった。ガキの浅知恵と言っちまえばそれだまでだけど、ガキの頭で一生懸命に考えて、マリアの幸せを何より一番に祈って命がけの脱走計画を実行に移した。
 でも、それが裏目に出た。レイジの脱走は失敗した。
 レイジはお袋と二人とっ捕まった。
 そして罰を受けた、二度と組織を裏切ろうなんて気を起こさないように。レイジはかつて今と同じ状況で同じ選択を迫られた、眼前で母親を犯されるか自分が犯されるか選べと数人がかりで取り押さえられ強要された。
 レイジは信心深いフィリピン娘のマリアが兵士に強姦されて出来た子供、もとより祝福されない子供だった。
 マリアはレイジを虐待した。
 自分と似ても似つかぬ髪と瞳の子供を見るたび犯された時の恐怖がよみがえった。殴った、蹴った、髪を毟った、引っ掻いた、首を絞めた。俺がお袋から受けてきた虐待よりもっと凄まじい、もっと酷い、惨たらしい虐待。だけどレイジはマリアを愛し続けた、殴られても蹴られても髪を毟られてもぼろぼろになっても献身的にマリアを愛し尽くし続けた。
 レイジにはマリアしかいなかった。
 だからレイジは、自分が犯されるのを選んだ。
 マリアを見殺しにするくらいなら凶暴な男たちに犯されたほうがマシだと現実を受け容れた。マリアを見捨てて自分だけ生き延びても意味がない、マリアと一緒に幸福になれなければ意味がないのだ。レイジは多分、マリアに過去の悪夢を追体験させたくなかったのだ。
 今また男たちに犯されればマリアは自分を孕んだときの記憶を喚起せざるえない、村を焼かれ家族を殺され兵士たちに輪姦されたおぞましい出来事を反芻せざるえない。
 誰よりマリアを愛していたレイジが母親が再び犯される運命を許容するはずない、全力をもって拒否したはず。苦渋の決断。
 どれほど辛い選択だったか、心中は計り知れない。
 しかし、レイジの心は粉々に打ち砕かれた。
 レイジがどちらを選んでも組織の人間はその反対に行動する予定だったのだ。マリアはレイジの眼前で男たちに犯された。レイジは何もできず、母親が男たちに犯される現場を見ているしかなかった。
 無力感、敗北感、罪悪感……絶望。心臓を食い破り荒れ狂う激情。
 自分が選択を誤ったせいで最愛の人間が犯された、自分のせいでマリアが酷い目に遭わされた。
 レイジは今でも当時の出来事を覚えている。忘れられるわけがない。今でも夢に見るに決まってる、悪夢にうなされるに決まってる。
 言わなくてもわかる。
 十字架を撫でる手は許しを乞う手。レイジは今も十字架に触れ、かつて守れなかったマリアに謝罪し続けているのだ。
 愚直なまでに純粋に、哀切なまでに真摯に。
 但馬は、同じ選択をレイジに強いた。俺が犯されるか自分が犯されるか選べとレイジに要求した。
 許せねえ。
 「………くそったれが……」
 腹の底で汚泥が煮立つ。視界が真紅に染まるほどの憤怒。体の裏表を這いまわる手の不快さよりもうなじを湿らす吐息の熱さよりも俺を激昂させたのは、優越感に浸りきった所長のにやけ顔。
 殺意が沸騰する。怒りで体が震える。
 一体コイツはどれだけレイジを傷つければ気がすむ、トラウマを抉れば気がすむんだ?レイジはもう十分傷付いたってのに十分すぎるほど自分を責めてるってのにコイツはこのクソ野郎はまだレイジを苦しめる気でいやがる、まだまだまだまだまだ俺のレイジを苦しめる気でいやがる!!
 許せない絶対に。
 感情が爆発した。
 「タジマの兄貴の変態野郎今すぐレイジから離れろそのツラ犬の小便で洗って目え覚ませ、寝言ほざくのもいい加減にしやがれてめえ、なんだよそのイカレた選択はよ!?俺が犯されるかレイジが犯されるかどっちかしかねえなんて最悪だ、どっち選んだって待ち受けるのは地獄じゃねえか、俺はごめんだ、レイジが犯されるとこ指くわえて見るのなんざ冗談じゃねえ!いつまでレイジにさわってんだよ狂犬家、レイジの髪一本だってお前にさわる権利なんざねんだよ、髪の先から小指の爪に至るまでレイジの体は全部全部俺の物なんだよ!!」
 喉から絶叫が迸る。
 看守二人がかりで押さえ込まれたまま死に物狂いに身をよじり喉膨らませ怒鳴り散らす、レイジをこの手に取り返そうと滅茶苦茶に暴れて咆哮する。
 椅子に縛り付けられ床に倒れたレイジは、壊れた人形じみた動作で顔を上げ、凍り付いた瞳で俺の狂乱を見つめていた。硝子のように脆く硬質な瞳に激情の余波が走る。
 瞳が、砕け散ってしまいそうだ。俺はこんな悲痛な表情を見たことがない。レイジの顔は、一瞬で時間が逆行した錯覚を抱かせた。瞬き一回の内に時間が逆戻りして子供に戻っちまったような感じ。
 マリアが犯された時もきっと同じ表情をしてたんだろう、捨てられた子供みたいに孤独が焼き付いた表情。
 レイジにこんな顔、させたくなかった。
 こんな顔、見たくなかった。
 「レイジ、真に受けるんじゃねえ!どうせどっち選んだってコイツが約束守るはずねーんだ、どっち選んだって最悪のことが起きるに決まってるんだ!お前が全部背負いこむことねえよ、変態の戯言に付き合ってお前が苦しむ意味なんかどこにもねっ……あっ、ひ!!」
 勢い良く喉が仰け反り、語尾が跳ね上がる。
 俺の背中にぴたり汗ばんだ腹を密着させた看守が、唾液に濡れた指を肛門に入れてきた。くちゃり、と淫猥な音がした。肛門の窄まりを探り当てた指が直腸の襞を掻き分け奥へと忍び込み、気色悪さに肌が粟立つ。
 「敏感な体。男に飢えてる」
 「こっちも敏感だぜ。ちっちぇえ癖してびんびんに勃ってやがる」
 俺の股間をまさぐってたもう一人の看守が嘲弄する。俺のペニスは勃起していた。しつこく扱かれて先端に汁を滲ませていた。ケツの穴に潜り込んだ指が卑猥に蠢く、ペニスを握った手が上下する。前から後ろから同時に責め立てられて知らず腰が跳ね、声が漏れる。
 こんな姿レイジに見せるくらいなら舌噛み切って死んだほうがマシだ。
 恥辱で顔が火照り、快感で息が上がり始める。
 涙の膜が張った視界にレイジが映る。
 「やめろよ」 
 低い声でレイジが言う。祈るような縋るような調子の声。
 「ロンに、さわるな。ロンは関係ねえ、俺がやったことにこれっぽっちも関係ねえ、ロンはただ偶然俺と同房になっただけで俺がフィリピンでやったことなんか何も何も知らねえ、俺が殺した連中のことも俺が持ち逃げした物のことも何も知らないんだよこいつは、だからこいつ犯したって意味ないんだ、神様に、いや、マリアに誓って真実を話してるんだよ俺は!!」
 椅子ごと床に横倒しになったレイジの顔筋が痙攣、泣き笑いに似て表情が崩壊する。眼帯がずれ、片目の傷跡が外気に晒される。
 背凭れに回された手を擦り合わせ手錠を外そうと試みて、それが駄目なら椅子ごと移動しようとしきりに身をよじる。椅子ががたがた鳴る。少しでも俺に近付こうと必死に身をよじり続けるレイジを見下ろし、所長は憫笑する。
 「ロンは、そいつは俺のやったこととは何も関係ないんだ!俺とは何も関係ない赤の他人、たまたま監獄で一緒の房になっただけのうざったいガキで実際うんざりしてたんだ、喧嘩弱っちくせに口ばっか達者でマジむかついてたんだ!ああいい気味だ、せいせいするよ!そうやってめそめそ泣きべそかいてろよ子猫ちゃん、おうちでママのおっぱい吸ってるのがネンネにゃお似合いだ、今だから言うけどお前のことなんか大っ嫌いだ、虫唾が走んだよお前のツラ見ると、くたばっちまえよ甘ったれのマザーファッカー!!」 
 レイジが狂気渦巻く笑顔を湛えて俺に罵詈雑言を浴びせる。
 椅子をガタガタ鳴らして俺を罵倒しながらレイジが吐き捨てる。
 「上等だ、選んでやるよお望みどおりに!お前を庇って犯されるなんざお断りだ、そこまで面倒見切れねえよ、犯すんならロンを犯せよ!!」
 
 レイジが。
 俺を、裏切った?

 「…………!っ、」
 衝撃で言葉が出てこない。床に椅子ごと横倒しになったレイジは隻眼を爛々と光らせ俺を見つめている、口元には開き直った笑みが浮かんでいる。邪悪な顔。
 レイジは選択した。俺を見殺しにして自分が助かる道を選んだ。
 そんなまさか。レイジが俺を裏切るはずない。俺の為にペア戦に挑んでサーシャに片目を切り裂かれて、それでも戦い続けたレイジが俺を裏切るわけがない。
 衝撃に心が麻痺したまま、看守に二人して体の裏と表をまさぐられていた俺は、床に倒れ伏せたレイジの目に思い詰めた色が宿っているのに気付く。俺を裏切り保身を選んだはずなのに、俺を見殺しに自分だけ助かる道を選び取ったはずなのに、俺の分まで苦痛を抱え込む覚悟を決めたかのように……
 そして、気付いてしまった。
 「お前、わざと」
 レイジは俺を見殺しに自分だけ助かる道を選んだんじゃない、その反対だ。 
 床に倒れ伏せたレイジの表情が安堵に緩み、粉々に砕かれたプライドをかき集め、再び不敵な笑みを作る。俺が見慣れた無敵の笑顔。その瞬間、わかってしまった。レイジはどこまでも一途に俺を守ろうとしてる。かつてレイジは選択を誤った、組織の人間の邪悪な思惑を見抜けず間違った選択をしてマリアを汚された。
 だからレイジは。
 レイジは、
 「……お前、ばかだよ。へたな嘘つきやがって」
 邪悪な人間の裏の裏をかき、自ら憎まれ役を買って出た優しさが身にしみる。
 同じ間違いは犯さない。過ちは二度とくりかえさない。
 レイジはきっと、看守二人に押さえ込まれて裸に剥かれた俺の姿を母親と重ねて見ているのだ。
 「お前なんか大嫌いだ、ロン。犯られちまえ」
 きっかりと俺の目を見据えて嘘を塗り重ねるレイジ。俺は、唇を噛む。
 レイジの「大嫌い」が、俺には「愛してる」と聞こえる。
 「それが君の選択か?」
 冷酷な声音が割って入る。レイジの傍らに片膝付いた所長が興味深げな表情を覗かせる。縁無し眼鏡の奥、酷薄な双眸が瞬く。床に突っ伏したレイジと看守に押さえ込まれた俺とを等分に見比べ、思案げに唇をなぞる。
 「ならばよろしい、望み通りにしてやろう」
 「!!痛っ、あっあ」
 ぐい、と強引に膝を押し開かれ肛門が外気に晒される。恥ずかしい体勢をとらされた俺の背中にズボンの股間を寛げた看守がのしかかる。濡れた音をたて肛門から指が引き抜かれ、熱い塊をおしあてられる。
 赤黒く勃起した、醜悪な性器。
 欲情に息を荒げた看守が俺の腰を掴んで尻を上げさせる。どくどく脈打つ肉の塊が尻の狭間の窄まりに触れ、肛門が裂ける激痛を予期し、体が強張る。
 視界の端、床に倒れたレイジの目が極限まで見開かれる。
 わかってる。わかってる。お前が自分を責める必要なんかこれっぽっちもない。お前は最後まで必死に俺を守ろうとしてくれた、庇おうとしてくれた。それだけで十分だ。ガキの頃、お前はマリアを助けようとして献身を逆手にとられた。だから今度は「逆」を選んだ。わざと露悪的に振る舞って、俺を裏切ったふりをして、俺を助けようとした。
 わかってるから、安心しろ。お前を憎んだりしないから。
 だから、そんな顔しないでくれ。
 「違う」
 薄目を開けて視線を彷徨わす。視界の端、レイジが呆然と呟く。
 「なんでだ。なんで違うんだ。『あの時』は選択を間違えた、俺が逆を選べばマリアは犯されずにすんだんだ、傷付かずにすんだんだ。あの時と同じ状況で違う選択をして、なんで同じ結果になるんだよ?こんなのってなしだぜ、神様。俺、あんたのことちょっとは信じてたのに。柄にもなくあんたに祈ったのに、なんでまたくりかえすんだよ」
 詰問というにはあまりに静かな口調。祈っても祈っても願いを叶えられず絶望したレイジの胸では、傷だらけの十字架が輝いてる。
 首を項垂れたレイジの顔に前髪が被さり、表情を覆い隠す。両手が自由なら十字架を握りしめ折り砕いていたかもしれない。だがしかし、レイジの両手は椅子の背凭れに戒められて十字架に縋ることすらできない。
 いいんだ、レイジ。
 首を項垂れたレイジに心の中で呼びかける。もう十分だ。何もかもお前が抱え込む必要なんてない。現実は思い通りにいかない。お前がどんなに足掻いたって頑張ったってどうにもならないことはあるんだ。瞼を閉じ、暗闇に自我を没する。うなじで弾ける熱い吐息、裸の背中をさする手……せめて声をあげないよう唇を噛み締めて衝撃に備える俺の耳を、絶叫が貫く。
 
 「なんでそんなに俺を嫌うんだよ、神様!!」

 レイジの叫び。
 「くそったれくそったれイエス・キリストのくそったれ、たった一度、たった一度くらい俺を救ってくれたっていいじゃねえか、この先一生報われなくたって構わねえから今この瞬間だけ慈悲垂れてくれたっていいじゃんか!俺はもうとっくにあんたに期待するのやめたあんたに縋るのをやめたんだ、でもそれでも最後にもう一度だけ信じさせてほしかったのに、俺の大事な奴を助けてほしかったのに……」
 レイジが叫ぶ、血を吐くように。 
 『I hate you、I leave you、I kill you、I rage you!!!!』
 全身全霊で神への呪詛を放つ。
 現実は、いつだって救いがない。そんなこととっくにわかりきっていた。俺は今この瞬間も何もできずただ犯られるのを待つだけ、椅子に縛り付けられたレイジもまた俺に手を伸ばすことすらできない。
 「友人を助けたいか」
 絨毯に片膝付いた所長が耳朶で囁く。叫び疲れてぐったりしたレイジは、それでも一縷の希望に縋るように首肯する。所長が我が意を得たりとほくそ笑み、椅子の背後に回る。手錠の鎖が擦れ合う金属音に続き、レイジが椅子から転落。唐突な心変わりに驚愕した俺の眼前、椅子から分離されても相変わらず手錠はかけられたまま、両手の自由を封じられ両膝を屈したレイジに所長が顎をしゃくる。
 「ならば相応の誠意を示してもらおう」
 所長の足元にはハルがいる。イヌ科の特徴の異様に長い舌を出してはっはっと息を吐いている。
 ハルの頭を撫でながらレイジを見下ろした所長が、人間味の欠落した笑みをちらつかせる。

 「ハルのペニスをしゃぶれ」

 ………に、を言ってるんだ」
 問いかけたのは俺。冗談かと思ったが、所長の目は真剣だった。俺を押さえ付けた看守もさすがに息を呑み事の成り行きを見守っている。ハルのペニスをしゃぶれ?犬に、フェラチオしろってのか。俺が見てる前で犬に奉仕させようってのか、レイジに。衝撃に麻痺した頭に現実が浸透するにつれ、猛烈な吐き気が込み上げる。
 「やめろ、レイジ。そいつの言うことなんか聞くな、お前が、王様が、犬畜生のペニスなんかしゃぶる姿東棟の囚人どもが見たらどう思うよ?やめろよ、なあ。お願いだから、………」
 喉が異常に渇く。何度も唾を嚥下し途切れに途切れに訴えるが、レイジは反応しない。絨毯に膝を屈したまま、凄まじい葛藤を宿した目でハルを見つめている。所長に顎をしゃくられたハルが虚空に脚を掲げて絨毯に転がる。
 仰向けに寝転がり、無防備に腹を見せたハルへと膝でにじり寄るレイジ。
 褐色の喉仏が動き、前髪の隙間から覗いた隻眼が思い詰めた光を宿す。 
 「………コイツのペニスをしゃぶれば、ロンを放してくれるんだな。口だけでイかせりゃいいんだな」
 やめろ。
 やめてくれ。
 やめろやめてくれそこまですることない犬のチンコなんかしゃぶることないプライド捨てることない俺の為にそこまですることない王様、やめてくれレイジ!!お前のそんな姿見たくない俺は見たくないお前が犬のチンコしゃぶるとこなんか見たくない、頼む誰か、誰でもいいからやめさせてくれ鍵屋崎サムライヨンイルホセ安田、お願いだから今この瞬間レイジが所長の命令通り犬にフェラチオする前に殴りこんできてくれ!!!
 「ああああああああああっあああああああっあああっああああああっ!!!!」
 「暴れるんじゃねえ!」
 「手足押さえつけろ!!」
 誰も助けに来ない、誰もレイジを止めない。なら俺がやるしかねえ。俺は滅茶苦茶に暴れる、上着とズボンを奪い取られて素っ裸になりながら看守二人を弾き飛ばしてレイジに駆け寄ろうとするも、警棒で肩を殴られ床に這わされる。痛い。激痛に涙が滲む。意味不明な奇声を撒き散らし、床を蹴って身悶える俺を二人がかりで床に固定した看守の視線の先、レイジがゆっくりと頭を垂れて犬の股間に顔を埋めー…… 
 レイジが、犬のペニスを口に含む。
 「……はっ、あ……」
 両手が使えない為に、こまめに顎の角度を変えて犬に奉仕する。犬の股間に顔を被せ、尖ったペニスに舌を絡める。唾液を捏ねる音が淫猥に響く。所長は笑っていた。嗤っていた。絨毯に寝転がったハルの股間に上体を突っ伏し、尖ったペニスを唇で食み、丁寧に舌を這わせるレイジを見下ろしてご満悦だった。
 レイジは苦痛を堪えるような表情で徐徐に膨張しだした犬のペニスを舐め続ける。
 「ふっ、う………でかすぎて口に入んねえっつの……」
 犬のペニスが急激に体積を増し、口腔を圧迫する。首を伸び縮みさせ、顔を傾げ、発情した軟体動物めいた舌でペニスの筋を舐め上げる。倒錯的な光景。顔に被さった前髪の隙間から時折覗く目は朦朧と濁っている。口に入りきらない大きさに膨張したペニスに飢えたようにしゃぶりつき、上から下へ、下から上へと舌を這わせて唾液を塗りこんでいく。
 口の端から垂れた唾液が首筋を滴り、シャツに染み込む。
 ハルの息が加速度的に荒くなる。
 「っ、は、は、はぁ……はは、両手使えねえと不便だな。手が使えたらもっと早くイかせられるのに、口だけだと難易度高いぜ」
 「レイジ、やめてくれ」
 こんなレイジ見たくねえ。俺の心の叫びを無視、レイジは一方的な奉仕を続ける。俺に背中を向けてハルを気持ちよくさせるのに集中する。後ろ手に手錠かけられ、床に両膝付いた獣の体勢から犬の股間に顔を埋めてぺちゃぺちゃと濡れた音をたてる。
 首筋から流れ落ちた金鎖が鈍くきらめき、虚空にぶらさがった十字架が不安定に揺れる。
 長く優雅な睫毛を伏せ、時折挑発的な角度で顎を傾け、引き締まった首筋と鎖骨を晒す。
 ハルの息遣いと腰の動きが速くなる。
 ペニスに舌を絡めて唇で刺激するくりかえしに顎が疲れてきたらしく、弱々しくレイジが首を振る。それでもまだやめない。
 ハルの腰の運動が速くなり、レイジの口に含まれたペニスがさらに膨張―――

 絶頂が訪れた。

 「!!かはっ、」
 射精する寸前、口からペニスを抜いたレイジの顔面にねばっこい白濁が飛び散る。先端の孔から勢い良く弧を描いて迸った精液を顔にかけられたレイジが苦しげに咳き込む。褐色の肌に扇情的なまでに映える白濁……犬の、精液。両手を戒められてるため顔に付着した白濁を拭うこともできず、放心した表情で虚空を見据えるレイジをよそに所長がハルを呼び寄せる。
 「よしよし、いい子だ。性欲処理ができてよかったな、ハルよ。何、まだ足りないのか?ははっ、ハルは欲張りだな!いいだろうハルは交尾したい盛りの三歳の成犬、フェラチオだけで満足できぬなら穴に挿入して楽しめばいい!人間だろうが犬だろうが関係ない、種族の差異などささいな問題だ、ハルが続きをしたいなら飼い主の私が止める気など毛頭ない!!」
 生理的嫌悪を禁じえず、凄まじい吐き気と戦いながら俺と看守が凝視する中、力尽きて絨毯に寝転がったレイジの背中を踏み付けて所長が深呼吸する。
  
 「いいだろう、そうまでしてロンの身代わりになりたいというなら可愛いハルの相手を務めてもらおうではないか」

 極限まで目を見開いた俺の前、床を蹴り跳躍したハルが突出した口腔から涎を撒き散らしレイジに襲いかかる。
 よく訓練された動きでレイジの背にのしかかりズボンを剥ぎ取り、凶器のように勃起したペニスを―――――

 ―「レイジいいいいいいぃいいいいいいぃいいいいいいいいいいいっっ!!!」―

 ああ。
 レイジが、犬に犯される。

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少年プリズン(未完) | コメント(-) | 20050531155519 | 編集
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