ロールシャッハテストB

まさみの18禁オリジナルBL小説ブログ。

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新暗行御史



 遠い遠い昔、東洋に聚慎なる栄えし国在り。
 災禍に襲われ聚慎滅びたのち、友との約束と正義を胸に各地を旅する一人の暗行御史がいたー……。

 かつてサンデーGXで連載してた韓国人による活劇漫画「新暗行御史」を文庫化をきっかけに読んでみたらすっっごく面白い!!
 たゆたう布たなびく髪の筋一本一本までりゅうりゅうと躍動的、戦闘シーンは迫力と美麗さを兼ね備えて惚れ惚れするしなんといってもキャラがいい!
 主人公の文秀は世に言うピカレスクヒーロー、安易な奇跡に唾吐き自分の正義を貫き続ける男。初登場時はやられ役の小悪党にしか見えなくてすっかりだまされた……やさぐれ、ひねくれ、守るべき国も人も失いひとりさすらう文秀はとある呪いから呼吸器代わりのパイプを手放せぬ体。呪いに冒され蝕まれた体のせいで激しい戦闘や運動はできぬハンデ持ち、にもかかわらず二丁拳銃をぶっぱなし鬱陶しい天パとコートを颯爽なびかせ敵をやっつける痛快無比な活躍ぶりはもーめちゃくちゃかっこよくて胸がすく。
 「奇跡なんてのはただのペテンだ」と飄々嘯き、安易な逃避や救済を求める人々を蔑み喝をいれ、絶望を乗り越えてどん底から這い上がってきたヤツにだけ手を差し伸べる度量の深さに男も惚れます。というか実際惚れられまくってます。特に元述(元述についてはたっぷりくどいほど後述します)
 そんな大胆不敵、倣岸不遜な文秀が過酷な旅の途中で得た相棒が山道の春香とちんちくりんひげの憎めない房子。
 山道というのは御史の護衛で凄腕の闘士、房子はその世話役。日本でいうとうっかりはちべえですね。
 この山道がまた可愛い。
 戦闘時はたおやかな細腕で巨刀をぶん回し豪快に敵を薙ぎ切っていく反面、通常モードでは無口でシャイでよく涙ぐむ清楚な美少女……なのにどうしてマントの下はボンテージでSMプレイがデフォの露出狂なのか、はたして読者サービスなのかとこの点に関しては作者を問い詰めたいです、ええ。よくやった、もっとやれ。山道と文秀の関係も萌えて燃える。過去に最愛の人を亡くし運命的にめぐりあった男女ふたり、と状況だけ抜き出せば恋愛に発展してもよさげな関係なのにどっこいなかなかそうはならない。山道はあくまで崇拝し守るべき対象として文秀のために剣を振るい、文秀もまた掴み所なく、苛烈にして非道な言動で山道の忠誠心を試す。
 ふたりの関係は恋人というより主従寄りの相棒に近く、ろくでなし文秀をけなげに一途に慕うオトメな姿にキュンとし、持病のせいで戦えない文秀を補佐する男前な雄姿におおーっと興奮し、捨てられた子犬のように自分につきまとう山道を露骨に迷惑がりつつも次第に信頼を置き始める文秀ににやにやし……いいよ!とにかく!燃える!高所恐怖症山道可愛いよ!美髪美人だよ!
 
 と文秀と山道にもおおいに萌えているのですがこの漫画における最大の萌えはやはり(男に)モテまくりなセクシー将軍列伝すごいよ文秀さまです。
 文秀の上を通りすぎてった男たち(通り過ぎてねえ)は数多くいるのですが中でも語るに欠かせないのは、かつての文秀の部下であり、聚慎が誇る凄腕剣士部隊・郎花のトップだった元述。
 もうこいつがねえ……すごいよ……なんなの?
 自分たちを栄光の勝利に導いた覇軍の将に心酔し、その懐深さに惚れこんだのだが、聚慎を襲った未曾有の災厄はかつての純粋な青年を殺戮に酔う復讐の鬼へと変えた……文秀を兄のように父のように慕い続けていたからこそ恨みはげに深い。
 しかし元述は初登場時より死んで甦ってからのが段違いにかっこいいよ……初登場時はなよなよしたノースリーブカマ野郎だったのにゾンビ化したら無口無愛想ストイックな男前(しかもツンデレ。もんのすごいツンデレ)になってました。お前そんなに文秀が好きなのかよ……立派に執着攻めストーカー体質だよ……。
 物語中盤からある理由より山道が失踪し、文秀・元述・房子の三人旅が始まるのですが、この間語られるエピソードに血を吐くほど萌え悶えます。包帯ポイとか……胸ぐら掴んで至近距離で見詰めあったり……そりゃ房子も誤解するよ(笑)トリブラのトレスが好きな人はこの時期の元述にはまるんじゃないかな?文秀はシティーハンターの冴羽遼を思い出しますね、同傾向のピカレスクヒーローです。
  
 最大の見所はやはりユイテの野望に引き裂かれた文秀と元述の悲恋(?)なんですが(文秀と王の悲恋かもしれない)、他のキャラもメインから端役に至るまでいい味だしてます。ウルパソも最初すげーいやなやつだったのにいつのまにか憎めないお笑いキャラになってるし……ブチ切れモードのヨンヒルには爆笑しました。ネリチャギ!
 男キャラも凄い魅力的なんですが数では少ない女性キャラも負けてはおりません。
 一途な山道はかわいかっこいいし平岡も決めてくれたし吉童の悲劇にはほろりときたし、だけど忘れちゃいけないのが月香!文秀の元恋人で運命の女、回想シーンでは首から下だけたびたびでてきましたが中盤から突入した過去編でいよいよお披露目。いい意味で予想を裏切ってくれます。深窓の令嬢キャラ予想してた人はぶったまげます、私もぶったまげました、なんて芯が強くて積極的で行動力にみちあふれたお嬢さんだ……惚れた。洋装可愛すぎる。惚れた。
 正直中盤から凄い展開になってくんで「はあ?意味わかんねーなんじゃこりゃ!」と脱落する人もでるかと思います、私も過去編で悪魔とか黒魔術とか出てきたあたりからおいおいとツッコミいれまくってました……が、無問題!本編最終決戦の前哨戦みたいな過去編ですが、よき友で幼馴染だった王の変貌や着々と進むユイテの陰謀、戦争が終わり訪れた平和な世の中で自らの存在意義に悩む元述の憂いに満ちた表情など見所がたくさんで読みながらよだれがでました。
 元述いいよ元述、ノースリーブえろいよ細身で筋肉質の二の腕えろいよ。
 束の間確かにあった平和な時代が描かれてるからこそ、後に訪れる惨劇の酸鼻さが際立つんですよね……。 
 文秀の海外遠征に「連れてってください」と志願するも「お前はここに残れ」と言われた元述の失意、ようやく訪れた平和な時代に馴染めず感じる孤独、疎外感、自分の存在への疑問。過去編を読むといかに元述やその他の兵士にとって文秀の存在が大きかったか、すべてだったかがわかって切ない……元述がぼろぼろの文秀を匿い包帯を巻くシーンは、文秀が腐りかけた元述に包帯を巻く後のシーンと呼応して目頭が熱くなる。
 元述がどういう運命をたどるかはぜひご自身の目で確かめてください。

 まとめとしては素晴らしい娯楽作品に仕上がってます!おすすめです!男前受けと執着攻めが好きな方必読!

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