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マージナル5(神崎紫電)



「神様-人を尊重し、力になり、気遣い、気配りをし、寛容に振る舞い、分かち合い、優しくし、忍耐強く、寛大な心を持ち、親切にもてなす。
これが、人と付き合う上で大事なことだと、わたしの小学校の頃の恩師は言いました。わたしは教わったこの言葉を忘れていません。
それをずっと……守って生きていきたいと思っていました。
けれども、春日井光代は……あの女はッ!人を貶め、嘲弄し、暴行を加え、尊厳を踏みにじり、利用し、嘘をつき、他人の善意を笑い、横暴に振る舞い、猜疑の根は深く、人を人とも思わない。わたしは、あの女の存在が、許せないんです!」


殺人や拷問を愛好する異端者たちが集うアンダーグラウンド・サイトの管理人である月森高校二年生の摩弥京也は、巷を騒がす連続殺人犯と偶然ネット上で知り合った。彼からとある惨殺画像を受け取った京也は、その死体がクラスメイト南雲小百合のものだと気づき、結果、犯人から狙われることになる。小百合の葬式で彼女の妹・南雲御笠と出会った京也は、御笠に犯人捜しを手伝わせて欲しいと請われ、二人は事件を独自に調べ始める……。

「マージナル」を系列分類すると乙一「GОТH」や西尾維新「戯言シリーズ」、入間人間「嘘つきみーくん壊れたまーちゃん」などと同じく青春暗黒ミステリに該当するのかな。昨今流行ですよね青春暗黒スプラッタ。そこはかとなく猟奇でカルトなグロ風味。
漫画でいうと「デスノート」とか好きな人におすすめです、人とちがう俺カッコイイ、イカレタ主人公痺れる~的な厨二病王道展開だけど面白いは正義。
前四巻までは現役高校生にしてアングラサイトを営む麻弥京也=ヴェルツェーニの視点で進行していたのですが、五巻はがらりと様相をかえ視点人物交代。

今回軸となるのはとある女子高に通う双子姉妹、音羽と小夜歌。
両親の離婚により互いの存在を知らず育った生き別れの姉妹は、偶然に導かれた数年前の再会をきっかけとして高校で蜜月を過ごしていたが、その間も妹・小夜歌は継母に虐待を受け続けていた。
姉・音羽は妹を虐待する義理の母・光代を憎悪し、抹殺計画を練り始めるが……

双子で百合で到叙というある意味最強の布陣。
高潔で厳格、才気走った音羽はいかにも同性にモテるお姉さまタイプで、対する片割れ・小夜歌は典型的な甘えっこの妹タイプ。
序盤からいきなりキスかましたり小屋で全裸で寄り添ったりと免疫ない読者は若干引く(そして好きな読者は鼻息あらくする)場面が頻出するのですが、光代の登場を契機に、小夜歌の劣悪な家庭環境が暴かれていくにつれ物語はどんどんシリアス度を増していく。
妹を救うため完全犯罪の計画を練る音羽の追い詰められた心情などはなかなか読ませる。
ちょっと辛口いうとこの「マージナル」ってエピソードが底浅くて、それが不満ではあるんですよね。
ところどころ人物の行動に説得力が欠けてたりするんですが(特に四巻、ヒロインが爆弾もって逃げる場面で他人巻き込むとわかってるのにそっち行くか!?みたいな突っ込みを……あとヒロインは姉を惨殺されてるんですが、その姉を回顧するエピソードや父親の言葉がちょっとキレイすぎて、フィクションに濾過されすぎというか、遺族のリアルな悲しみが伝わってこない……あくまで私見なんですが)だけど面白い。
猟奇殺人犯がそうなったきっかけや殺人を犯し追い詰められていく心情はなかなかスリリングで読ませるし、シリアスな場面でも会話にユーモアがあって思わず笑っちゃう。文章も上手い。唐突に出てくる四字熟語には正直面食らいますが、狂気に針がぶれかけた心理の描写は達者だなあと唸らされます。
既刊五巻なんですが、この巻から読んでも支障はないと思います。
だけどこれから読もうというひとにはできれば一巻から読んでほしい……ヤンデレサイコでトラウマ持ちな割にとぼけた人柄の京弥が面白いというかほほえましいというか(笑)
個人的にはちょうどマンネリ化してた頃合なので視点人物交代は大歓迎です。
たまにはこういう遊び心あっていいよね。
 
あ、あとひとつどうしても気になることがあるんですが……
顔の半分に酷い発疹があるって外見特徴のキャラの挿絵にまったくそれらしい痕跡が見当たらないのですが。

絵師さんしっかりして……。 

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