ロールシャッハテストB

まさみの18禁オリジナルBL小説ブログ。

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リヴィングストン片岡人生

ガガガ文庫十選

九龍探訪グレッグ・ジラード/吉田一郎

四畳半神話大系森見登美彦

ドリフターズ平野耕太

夏に読みたいエクソシスト漫画特集

ひらひらひゅ~ん西 炯子

映画篇金城一紀

鹿男あをによし万城目学

表紙で惚れた眼鏡男子15選

読むと優しい気持ちになる漫画

泣ける漫画

Dies iraelight

アニメ化してほしい漫画

サクリファイス近藤史恵

朱唇井上裕美子

殺戮ゲームの館土橋真二郎

カラマーゾフの兄弟及川由美

マルドゥック・スクランブル(漫画版)大今良時

Waltz大須賀めぐみ

少年怪奇劇場なるしまゆり

マルドゥック・スクランブル冲方丁

犬の力ドン・ウィンズロウ

ブラバン津原泰水

新暗行御史尹 仁完

ハルモニア篠田節子

ビスケット・フランケンシュタイン日日日

文学少女見習いの、初恋。野村美月

ぼくのメジャースプーン辻村深月

ダン・サリエルとイドラの魔術師あざの耕平

アイの物語山本弘

マージナル5神崎紫電

耽美なわしら1森奈津子

わくらば日記朱川湊人

象と耳鳴り恩田陸

ミノタウロス佐藤亜紀

ハニカム林明日香

МISSING本多孝好

人生処方詩集エーリヒ・ケストナー

地の果ての獄山田風太郎

トーキョー・プリズン柳広司

アラビアの夜の種族古川日出男

バーバ・ヤガーきづきあきら

ジェネラル・ルージュの凱旋海堂尊

インシテミル米澤穂信

プシュケの涙柴村仁

ニコタカハシマコ

羊の目伊集院静

青年のための読書クラブ桜庭一樹・タカハシマコ

退出ゲーム初野晴

漆黒の王子初野晴

幽式一肇

プリンセスビター・マイ・スウィート森田季節

ジョーカー・ゲーム柳広司

白の鳥と黒の鳥いしいしんじ

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読んだ本感想 | コメント(0) | 20021129174311 | 編集

リヴィングストン(1) (モーニングKC)リヴィングストン(1) (モーニングKC)
(2010/11/22)
片岡 人生

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「困ったら横領!嫌な事あったら殺人!?行き詰まったら自殺かよ!俺だって仕事じゃなきゃあんたの魂なんか砕いて多摩川のコイの餌にしてやりたいよ!天野くんは仕事でしょうが!できない事投げ出すのは子供の特権なんだよ!魂ないからって社会なめんな、できない事をクリアしたことがないからそんな逃げ腰なんだよ!あんたら頑張るって選択肢が抜けてるんだよ!最低!底辺のヤツらだよ!」

人間の運命の9割は魂によって定められている。現世でその運命を全うした魂は来世へと繋がれ成長を続ける。
だが、なかには予定外に死亡し、運命どおりにいかずに砕け散ってしまう魂もある。それを防いで魂を適切に管理することが、桜井と天野の仕事である。魂が消えゆく危機に瀕するとき、二人は現れる。
モーニング初登場の前川知大&片岡人生がおくる、“魂”とは何かを問う衝撃作!!


人は死んだあと何を残す?
死体は燃えて灰になる。形を残さねばいずれ忘れ去られる。
それでも後に残るもの―不可視の形骸、砕けた魂の痕跡。
この物語は予定外の事故や事件に遭い、魂の寿命をまっとうせず人が死んだ場所に派遣される痕跡―もとい、「魂石」回収業者の話である。
魂石とは故人の残留思念、その人物が生前残した痕跡が結晶化したもの。
死者は記憶によって生かされる。その記憶を記録し回収するものたちがいる。
公務員風のスーツに身を包み、野暮な黒縁眼鏡をかけた青年・桜井と、その相棒で掴み所ないフードパーカー少年・天野。
非常に生真面目で善人、どこまでも誠実に自殺志願者を説得せんとする桜井とは対照的に、「めんどくさいからちゃっちゃとやっちゃいなよ」とけしかける天野。
コミカルな掛け合いとは裏腹に扱われるテーマはシリアスで重い。
基本一話完結の連作シリーズ。
この話に単純な善悪二元論で割り切れる人間は登場しない。
一見善人に見えた人物がグロテスクな本性を隠していたりもする。
桜井と天野にしたところで決して正義のヒーローには成り得ない。
アンチヒーローという形容もそぐわない。
彼らは―否、天野に関して言えば至って淡々と職務を遂行する。
一方の桜井は、魂を回収する為に現世の肉体を「処理」する仕事の是非に悩みながらも、様々な人との係わりを通し、時として必要悪の汚れ仕事も請け負わざる得ない己の歪みと向き合っていく。
 
善悪ではない。
正否でもない。

「僕たちはあなたを救いにきました」と桜井は言う。
「殺しにきたんだよ」と天野は言う。

そのどちらも間違いではない。
借金で首が回らなくなり自殺を図る男、横領が発覚し脅迫されたOL、今まさに死を選ぼうとする彼ら彼女らの前に唐突に現れた二人はされど、「それはあなたが選択した運命ではない」「他者の魂に引きずられた結果の予定外の脱線だ」と告げる。 
とまあ哲学的なテーマも孕んだ話なのですが、なんといっても桜井(表紙向かって右)がいい。
自分の仕事に悩み迷い躓きながら、人との係わりの中でできるだけ後悔の少ない選択肢を選ぼうとする、不器用なまでのひたむきさに共感と好感を抱く。見た目もとてもツボです。
桜井の相棒・天野は仕事のために派遣されてきた魂をもたぬ存在、痛覚をも失っている為人間らしい感情が欠落している。
そんな天野に振り回されつつも甲斐甲斐しく世話を焼く姿は苦労性のおにいちゃんそのものでとても和みます。清涼剤です。
世間知らずで非常識、不謹慎な言動が多い天野と、根っから常識人の桜井の微妙な距離感も見所。




モーニング公式リヴィングストン作品情報

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021115105441 | 編集

ガガガといえば数あるラノベレーベルの中では新興でいまだマイナー感の抜け切らぬレーベル。
今日はそんな中で独断と偏見に基づく十冊をおすすめしたいと思います。


幽式 
ビビリへタレオカルトマニアの高校生とオカルト好きな美少女(電波)転校生。
そんな二人がオカルトな事件に首を突っ込んでは解決したり解決しなかったりする青春ビターホラー。
あえて分類するならGOТHの読後感に近い。
非日常との境界が曖昧な夕間暮れの空気を、地方都市を象徴する鉄塔のモチーフを使って上手く醸しだしてる。
ビビリでヘタレだけど正義感が強く芯が通った主人公には好感がもてるし、電波な言動の裏に脆い心を隠したヒロインにもきゅん。
二重三重のどんでん返しが仕込まれているのでミステリー的楽しみもあり。
ワカバさんのイラストもエッジがきいててよろしい。


月光のカルネヴァーレ 白銀のカリアティード
一匹狼のマフィアと双子の自動人形を巡るピカレスクオペラ。
バーボかっこいいよバーボ。男の娘やショタもいるよ。硬派で端正な文体、ノワールな雰囲気は好きな人はとことんハマる。
バッカーノがライトなマフィアものだとするならこっちはより影の部分が強い。


時間商人
十年分の寿命と引き換えに不老不死を売る謎の商人トキタと助手カナタが出会うさまざまな人間模様。
基本連作形式だけど通して読むとミステリーになる構成が憎い。
世にも奇妙な物語風の話で、様々な事情や理由を抱えトキタのもとを訪れた依頼人の人生が無数の悲喜劇を糾い交差する。
癌細胞擬人化の発想はすごかった。


コップクラフト
異世界人の女騎士とやさぐれ刑事の凸凹コンビが背徳の都市を脅かす事件に挑む!
世界観が好き。
異世界人と地球人が交わり暮らす無国籍風な都市はさながらロサンゼルスのよう、シュピーゲルシリーズのウィーンとかそんな感じの。
気位高く潔癖なヒロインと皮肉屋の刑事のじれったい恋愛模様も楽しめる。


ラのべつまくなし
二次元をこよなく愛する腐女子と純文学作家(兼ラノベ作家)のドタバタラブコメ。
だけど巻が進むにつれ「ラノベとは何か」というテーマが前面にでてくる。
ついったーや電子書籍など、昨今流行りのツールがストーリーに密接に絡んでくるのでライブ感が味わえる。
頑固で手のかかる主人公とチャラ男に見えて実は熱血な編集志望の親友の限りなくBLに近い友情も見所。
純文学支持派の作家や編集者がやや類型的で極端に描かれてる感はあるけど、最終巻で親友が語るラノベの定義は面白かった。


風に乗りて歩むもの
初老のタクシー運転手と東洋人の少女が敵の追跡をかわしつつ大陸横断するロードノベル、というだけで反応する人はいると見た。
祖父と孫のような父と娘のようなふたりの距離感がいじらしい。
不器用な触れ合いや罵詈雑言の応酬を経て絆を深めていく展開はお約束だけどじんとくる。
惜しむらくはエピローグが蛇足だったかな?


ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ
原作ファンなら是非。張さんの登場シーンだけでも読む価値あり。張さんの招見に対し敬語を使うシェンホアも見られます。


マージナル
続編希望。


リビングデッド・ファスナー・ロック
黒髪セーラーと日本刀は正義。姉も正義。続編はとても百合でした。


此よりは、荒野
家族を皆殺しにされ復讐を誓う保安官助手の少年と、凄腕の銃使いであるヒロイン。
熱血少年の王道成長憚としても亜人が跳梁跋扈するピカレスク西部劇としても楽しめる。
特徴的な文体は猛烈に癖になる。

ガンアクションに偏ってるのは趣味です。
個人的見解では読んで絶対損なし!が月光のカルネヴァーレ・此よりは荒野・幽式・時間商人・コップクラフト。
され罪はスニーカー版のがおすすめなので外しました。

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021114105339 | 編集

九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 -City of Darkness-九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 -City of Darkness-
(2004/02/21)
吉田 一郎尾原 美保

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何故ひとはこうも九龍城に惹かれるのか。
世には廃墟マニアという人種が存在する。私にもまたその傾向がある。
恩田陸は著作の中でこう語る、廃墟とは人がいたところ、過去の残骸、かつてたしかにあった営みの記憶の焼きついた場所であると。
歳月が経ちその営みの記憶が風化してもなお形骸化した器は―「建物」は残る。
九龍とはかつて混沌の代名詞であった。
世界最大のスラムであり、犯罪の温床と忌避される危険地帯であった。しかし私たちはどれだけ正確に九龍の本当の姿を知っているのか、一人歩きする風聞に惑わされ果たして往時の九龍の姿を把握してると言えるのか。
本書は九龍内部を撮った多数の写真とともにそこに住む人々へのインタビューで構成されている。
一口に九龍城といえど中は広く多数の区域や通りに分かれている。
本書ではその様々な区域に居住する様々な職種のもの、飴職人、歯医者、宣教師など幅広く取り上げて、それぞれの波乱万丈の半生を九龍城の歴史に絡め振り返る形での取材を試みている。

九龍城は要塞である。
そして有機的に胎動する一つの都市である。

犯罪が多発する危険地帯として外の住人に恐れられた九龍城も、中に住まう者からすればそれが日常であり、けっして危険で不潔なばかりの魔窟ではないのだ。九龍城で生まれ九龍城で育ったものにとっては九龍城こそがかけがえのない故郷であり、彼らは自分が生まれ育った土地に愛着を抱いている。
九龍城は闇を抱えている。上下水道の整備も整っておらず、家庭で出たゴミは中庭に張った網の上に投げ捨てられ何層も積み上げられる仕組みだ。
しかし、託児所がある。保育園がある。教会がある。老人ホームがある。
人が人らしく生活する為に必要な最低限の施設はちゃんと備わっている。
汚水滴る壁や床で絡み合いのたくる配線、迷宮の如く複雑怪奇に入り組んだ路地、猥雑に立て込んだ建物と足場の悪い狭隘な通路。

九龍城とは何十棟もの高層建築の複合体である。

すなわち、九龍城は生きている。
無数に枝分かれし入り組む路地は毛細血管、壁は胸壁、幾何学的に交差した配管は骨。
九龍城とは生ける異形の都市なのだ。

九龍城にひきつけられる人間は後を絶たない。
あるものは知的好奇心からあるものは野次馬的興味から、撤去されて十数年経った今なお新たなファンを呼び込み続けている。
九龍城をモデルにしたフィクションも多数存在する(奪還屋の無限城、クーロンズゲートのそのものずばり九龍城など)。

ある種の建築物はただそこに在るだけで人を圧倒する。
そのものがそこに在るという事実自体が驚異と賛嘆に値するのだ。

人の意図をはるかに超え人の生き様を呑み込み人の営みを紡ぎだし巨大化していく一つの都市は独自の意志をもつと、恩田陸はそう言った。人はしぶとくしたたかに、どんな劣悪な環境でも粘り強く繁殖していく。
どんな劣悪で過酷な環境にも代を経て適応し、そこを住みやすいよう改善する柔軟性に恵まれている。
外側から見た九龍城についてしるした書籍はたくさんあるが、実際に九龍城に潜入し、そこに住まう人々に接触した本は希少だ。
本書はそういう意味でも価値が高い。
外側から眺めて無闇に恐れるだけではわからなかった真実の一片、外の人々にとっては「魔窟」であり「スラム」である九龍城の生活空間としての実態が本書にはたっぷりと収録されている。
しかし、本書は九龍城を美化してるわけではない。

たしかに犯罪はある。
環境は劣悪だ。
清潔と快適さが同義の世の中においては九龍城はスラムに違いなかろう。

しかしそこに根付いた人々が生々しく語る濃密な人生が九龍城と化学反応を起こした時あざやかに立ち現れるのは「生き物」としての九龍城、数多の人の生き様と営みを呑みこんで途方もなく巨大化した空前絶後の都市の姿である。

九龍の前に九龍なく、九龍の後に九龍なし。

かつて香港の地に存在した九龍の伝説は、彼の地を愛する人々によって末永く語り継がれていくことだろう。


一緒に読みたい本

九龍城というか香港好きにおすすめ。角川ビーンズからも出てますがこっちの方が表紙の雰囲気が好き。
双子好きとへタレオヤジ好きにも。

九龍城ではなく軍艦島がモデルの孤島ミステリ。こだわりある廃墟描写がいい。

廃墟を見ると心洗われる。

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021113171431 | 編集



「……俺はもっと他の道を選ぶべきだった」
「慰めるわけじゃないけど、あなたはどんな道を選んでも僕に会っていたと思う。直感的に分かります。いずれにしても、僕は全力を尽くしてあなたを駄目にする。運命に抗ってもしょうがないですよ」
小津は小指を立てた。
「我々は運命の黒い糸で結ばれてるというわけです」


主人公「私」は自意識の塊のような若者。
大学三回生の現在に至るまで有意義なことなど何ひとつとしてしてないと豪語する彼には腐れ縁の悪友・小津がいる。
しかしそんな私にも薔薇色のキャンパスライフに夢膨らませたぴかぴかの新一回生の頃があった。
サークルのビラをどっさり抱え右往左往していたあの時、別の選択肢を選んでいれば自分はもう少しマシな人間になっていたのでは、ひょっとしたら幻の至宝といわれる薔薇色のキャンパスライフを手中にしていたのではないか?
これは誰もが人生の途上で通過するだろうそのな問いに一つの答えをつきつける物語である。
即ち、「あんたどの道選んでもそんなに変わらないよ」という単純明快にして身も蓋もない事実を!

有り得たかもしれぬ未来の可能性に妄想を膨らませ……もとい思いを馳せ、悪友に駄目にされた現実と引き較べては四畳半の下宿でうだうだくだ巻くモラトリアム絶賛謳歌中の腐れ大学生「私」。
「私」の親友にして悪友の小津はわがままであり傲慢であり怠惰であり天邪鬼であり他人の不幸をおかずにして飯が三杯食える男、四畳半にひきこもりがちな私にしつこくつきまとっては色んなトラブルに巻き込みやがる始末。

本書で語られるのは四つの並行世界の話。
入学間もない頃に手にしたサークル勧誘のビラ、そのそれぞれを選んだ場合の二年間が綴られていくのだが、どの選択肢も微妙な差こそあれ大筋は似たような流れに収斂していくのが面白い。
どの選択肢を選んでも小津との出会いは回避できず、明石さんに淡い恋心を抱く運命であり、胡散臭さ爆発の樋口師匠はあえて呼び込まずとも干渉してくる。
だけどその微妙な相違点がキャンパスライフに僅かずつ違う色をつけていくのが妙味。
撞球の如く意外な所で意外な人にぶち当たる人間関係やサークルの裏話が暴露され、並行世界という設定を踏まえ伏線を回収していく構成も巧み。
「私」は明石さんという黒髪の乙女に惚れているのだが、その恋の行方が縦糸だとすると、小津との友情は横糸。野菜嫌いで月の裏側から来た人のような顔色をしてるだの夜の道を歩けば十中八九妖怪に見間違われるなどさんざんに罵ってますが、「四畳半恋ノ邪魔者」ではいつまでたっても煮え切らない「私」の為に一肌脱ぎ、何故こんな馬鹿なことをしたのだと問い詰められるたび、「僕なりの愛ですわい」と告白する。なんだよ小津健気じゃねえか。

恋愛成就の影に小津の暗躍あり。
なのに今いち感謝されず哀れを誘う。
そんな小津の献身(?)が漸く報われるのが最終話の「八十日間四畳半一周」。

これはドアを開けても窓から出ても四畳半が続く異次元に迷い込んだ「私」が世界の仕組みを解き明かしていく、いわば全体の集大成となる話なのですが、それまで傍迷惑な腐れ妖怪としか小津を思っていなかった「私」が、「あんな奴でもいないよりはいてくれたほうがはるかにマシだ」なんて言い出してしんみり。

明石さんのこともちゃんと好きで純粋に恋してるんですが、彼女は聖域。
聖域の四畳半にずかずか土足で上がりこみ積極的に「私」を引っ張りまわす小津はゴキブリの如く卑近な存在。

そんなゴキブリ野郎がいかに孤独を癒してくれていたか、ゴキブリが沸く日常がいかに尊く楽しいものだったか、本当の意味で独りになって切実に痛感する……。
ぶっちゃけ恋愛的な意味で恋してるのは勿論明石さんなんですが、四畳半を脱したその足で小津のもとへ走る姿を見るにつけ、宿命的な意味で愛し愛されてるのは小津じゃあないかと邪推してしまいます。
もういいよ勝手にやってろよ、明石さんが「また阿呆なことやってますね」ってクールに見守ってくれるよ。
恋あり友情ありフシギあり、おすすめ青春残酷です。


アニメにもなってるらしいです。よくできたMADだなあ。

一緒に読みたい本

ご都合主義者かく語りきが一番好き。女装が似合う事務局長カッコイイ!

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021112084659 | 編集



1600年。
天下分け目の関が原の合戦にて消息を絶った一人の武将がいた。
薩州・島津藩の武将、島津豊久。
瀕死の重傷を負った彼が迷い込んだ先は無数の扉を配したどことも知れぬ奇妙な回廊。
そこで待ち受けていた男が書類になにかを書き込むやいなや豊久はひとつの扉に吸い込まれ―


目覚めたら森の中。
エルフやゴブリン、ホビットなどの亜人と人間が共存するファンタジーな異世界だった。

古典から漫画・アニメまで、世の中に異世界トリップを扱ったフィクションは多々あれど、その大半は主人公が何の能力ももたぬ平凡な人間。歴史上の有名人がトリップする例もないではないがそれは主人公ひとり、同様の状況におかれた何十人も何百人もが一堂に会すのは前代未聞、空前絶後。この作品を稀有なものにしているのはその空前絶後をやらかす発想、即ち

「偉人だよ!全員集合」。

ファンタジー世界にトリップしたのは島津豊久に織田信長など名だたる戦国武将を筆頭にした古今東西の有名人ばかりなり、いずれも史実では没年不明か死因がはっきりしておらず生存説が囁かれる者たち。
島津豊久という武将の中ではややマイナーな人物を主人公格に据えているが、この豊久が実にわかりやすい性格。
相変わらずの平野耕太ということで登場人物にはちょっとどころじゃなくイッちゃってる戦闘狂や戦争狂が多いのですが、豊久もまたこの前例をしっかり踏襲し「首、首おいてけ!」と敵にがぶりよる薩摩男児。しかし恩人には義理を通したり子供には優しかったり朴訥とした一面もある。
一巻で豊久が出会うのは第六天魔王こと織田信長、ぱっと見ジャック・スパロウの如く眼帯がよく似合うお茶目さん。
弓の名手・那須与一は「森乱丸かとおもった……」と豊久に言われるほどの美少年で男の娘。生きた時間軸のばらばらな三人が顔を合わせたのだから浦島太郎的な誤解や勘違いがコミカルな掛け合いを誘発するのはさもありなん。十八年後を生きる豊久によって、自分が死んだ(と誤解された)後の天下統一の結末を聞かされた信長がテンパる場面はここまでくるといっそすがすがしいほど噛み合わなくて笑えました。
しかし真面目に考えれば大問題。未来軸を生きる他人によって自分の死後の世相の変化および親しい人たちの末路、はては国家の存亡まで語られアイデンティティーの危機に瀕する反面、上手くすれば当時はなかった最新の知識や戦法を取り入れることができる。
古代から現代まで様々な人物が登場予定なので今後この手のパラドックスはいろいろと物議を醸す予感。
本来ならけっして顔を合わせる事なく別々の時代を生きた、しかも個々の時代では既に死亡が確定しているだろう偉人らが異世界に集結し、壮絶なる国奪りの火蓋を切って落とす!というのが骨子ですが、物語はまだ序盤で不明な部分も多く、世界観も殆ど明かされていない。
人間と亜人が対立してるらしい、戦争に敗けて亜人が迫害されてるらしい事もわかるが他はいまだ霧の中。

が、面白い。

生きた時代も場所も千差万別の変人狂人偉人が魔法と剣の世界に召喚され、本来なら絶対ありえない最強の組み合わせや最凶の対戦カードが同時多発的に実現するのだから面白くないわけがない。
一巻で登場するだけでも錚錚たる顔ぶれなのですが、召喚された人間はさらに「漂流物(ドリフターズ)」と「廃棄物(エンド)」に二分され、「廃棄物」のほうは黒王なる謎の人物に束ねられ、亜人の大軍を率いて侵略を開始する。
しかもこの「廃棄物」たちは、「漂流物」とおなじ個々人が鍛え上げた技能に加え、各々の信念や宗教、死に様に起因する異能を駆使するようだ。

というかですね……スキピオとハンニバルの天敵老人コンビにうっかり萌えちまったじゃねえか……
あんだけ大人げない喧嘩してるくせにライバルが嘲笑されると「俺のローマは百万の敵は恐れないがこいつ唯一人を恐れた!」って啖呵切っちゃうスキピオさんマジかっけえ。愛です。これがケンカップルってやつですか?開眼しそうです。
古代ローマが誇る天才戦略家に続くのは西部開拓時代のピカレスクヒーロー・ワイルドバンチ強盗団、上空に出現した扉から戦闘機ごと突っ込んできたのはデストロイヤー菅野直と、メジャー・マイナー織り交ぜた豪華すぎる顔ぶれ。

ですがですが一番の驚きは新撰組のあの人が!!!
あの人がまさかの参戦!!!!!
しかもまさかまさかの北○道バージョンって!!!!!
 

た、たまりません。まさか平野耕太が描く彼を見れる日がくるとは思わなんだと大興奮。
ですがちょっと「?」と思った箇所もありまして。
織田信長が異世界に来る時に通った廊下の様子を「ああ、あの扉がたくさんあった場所だろ」というのですが、信長が生きた当時扉の概念てなかったよね?武家屋敷は襖か板戸だよね?
台詞も前作同様イカレ狂ってて痛快なのですが、一つの単語を強調するくりかえしがちょっとくどく感じてしまいました。
紫とEASYなる人物の目的も今の段階では全く謎、というか正体自体が全く不明。無数の扉が存在するあの場所は何なのか、豊久らが召喚された世界とも位相が異なる次元っぽいのですが……あの世とこの世の境目みたいな場所なのか……?
でもそんなありがちなオチはないかなあ。

どうやら紫とEASYは「漂流物」と「廃棄物」に代理戦争を演じさせているらしい。
ということは紫とEASYは神のようなものなのか?(ようなものって表現も曖昧ですが)

「昼休み中です」の下げ札なんておもいっきり日本語だったし……あれ実は国籍によって視認する字が変化したりするのでしょうか。なんらかの仕掛けが施されてても不思議じゃないけど新聞の字までおもいっきり日本語だしなあ……ひらがなを崩したとはいえ異世界文字をルビでふるような面倒な手間を惜しまぬ作者がそのへんいい加減に流すとはおもえないんですが。
それらを踏まえると紫=日本人って可能性もあるんでしょうか。外人に見えましたが……ミスリード?かたや紫でイージーはわざわざ英語表記だったし。
どうやら異世界には有名人ばかりじゃなくベトナム戦争従軍兵など無名の一般人も迷い込んでくるらしい。それら玉石混合の「漂流物」を審査し、出現場所を指定するのが紫の役目っぽいんですが……どうして紫にそんな権限があるのか、人名リストの筆跡がひとりひとり違うのはなんでだ(直筆って事はないよな?)とか日本人の召喚率が異常に高いのはなんでだとか疑問が尽きません。
現段階では情報不足でなんともいえないなあ……。あ、でも紫が読んでた写真の信長と与一がめちゃくちゃカメラ目線でポーズしてたのは作者のお茶目という名のギャグだと思います(笑)

ところで大師匠は男なのか女なのか気になります。乳があるようでないような。エリート眼鏡なカフェトも可愛いな……。

一緒に読みたい本

異世界風呂トリップ。

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021111025636 | 編集


魔王サタンの落とし子である双子がエクソシストをめざし悪魔を討つ学園退魔バトル。
直情的で喧嘩っ早いが根は優しい兄・燐、対照的に冷静沈着、頭脳明晰な優等生の弟・雪男。性格正反対の双子がひとつの都市さながら巨大な全寮制学園の祓魔師塾にてエクソシストの修行を積むんですが、同い年の弟が教師であり指導官であるという設定がなかなか面白く、異能バトルだけじゃなく学園ものや青春ものとしても楽しめる。なお燐と雪男は寮で同室です。いいね!(何)
一応は雪男が弟になるのですが性格的には雪男のほうが保護者みたいで、なにかと早合点し突っ走りがちな燐の手綱を引いてます。
が、そこはやはり似て非なる双子同士。
お互いに対する複雑な想い、葛藤が生み出すすれ違いもある。
兄を庇って死んだ養父の存在もまたわだかまりを残す。
未熟児の為兄のようには父の魔力を受け継がず、しかし出世時に兄から魔障を受け悪魔が視える体質となった雪男。幼い頃から気弱で泣き虫、虚弱体質だった為いじめを受けていたのですが、そんな雪男を燐は必ず守ってくれた。しかし守られる一方はいやだ、自分だって兄さんを守りたい、これから待ち受けるだろう過酷な試練と残酷な運命から……そう強く志し、長いこと兄には秘密で養父からエクソシストとしての特訓を受ける。
おいどんだけ健気なんだよ尽くしすぎだよ……。
いかに兄を大切に思って憧れてるか、反面劣等感を抱いてるか。しかし鈍感な燐は弟の悩みなど気付かない。ああもどかしい……!というか雪男は燐のこと好きすぎだと思います。たまらん。兄弟もの好きは悶える。
ビジュアルもタイプなんですよ。眼鏡に泣きぼくろで二挺拳銃の使い手なんてツボすぎますよ奥さん。おっとり丁寧な物腰と食えない笑みの取り合わせが……!燐がたま~に見せるお兄ちゃんぽいところもイイです。なんだかんだで仲良し兄弟。ヒロインしえみもコロポックルみたいでめんこい。
メインは兄弟愛なんですが、生い立ち故周囲に疎まれ孤立していた燐が、新たな仲間と出会って心を開いていく過程も見所。
ちなみに私は燐×雪男派で……へタレ攻め×クール包容受けで……





両親を殺した猟奇殺人鬼パッチマンに復讐を誓うアラゴ、その双子の兄でエリート警官のユアン。
確執を経て別々の道を歩む二人の前に再び両親の仇である宿敵・パッチマンが現れて……
ゴシックな雰囲気が好まれる為か、19世紀ロンドンが舞台の話は結構多いんですが、当たり前に車が走って携帯がでてくる現代のロンドンを舞台にした話は新鮮。これも兄弟愛に燃えて萌える!右腕に呪われた力を宿すアラゴが、ロンドンの街を東奔西走して人外が絡んだ事件を解決していくシリーズものなんですが主人公のキャラが魅力的。喧嘩っ早くてひねくれ者で口も素行も悪いんですが、実は正義感が強く熱血肌。やんちゃな笑顔やそっぽをむいてふてくされた顔、たまに見せる寂しげな顔が……!
絵はちょっと荒く見えるんですが、それが持ち味となる作風。表情が生き生きしてます。二巻からは新キャラセスが登場、天使のような悪魔の笑顔でアラゴをストーキングします。へソチラメニアック!
額の三角はかっこいいのか悪いのか微妙ですが……。
イギリスならではの妖精や伝承が絡むエピソードも多く、そちら方面の知識があるとより楽しめること請け合い。

麦ちゃんが好きです。輝ちゃんはもっと好きです。
いやもうすごい好きなんですよこれ、ハマりました。神楽坂輝が最高です。小六にして大金持ち、テレビにしばしば出演する凄腕霊能力者でハーフの美少年、しかしその本性は……「悪いけど俺、担任でも年収五千万以下の奴と話しとうないんや」こってこての関西弁を喋るナニワの商人、ツッコミの達人。
ド田舎育ちの食いしん坊少女・麦子とこの輝ちゃんの漫才コンビが、東へ西へ外国へと飛びまくり喧嘩のついでに哀れな霊を祓いまくるドタバタコメディ。
とにかく輝ちゃんがいい。オレ様腹黒守銭奴のくせに麦子を溺愛してます、大好きなんです、満漢全席をおごってしまうほどに。しかし鈍感な麦子はさっぱり気付かず輝ちゃんのテンプテーションは空回りするばかりなり。ハマった当時はこの言葉がなかったんですが今ならわかります、輝ちゃんはツンデレです。食い物にしか興味のない麦子にじれて押せ押せ積極的になったり甘い言葉で口説いたりもするんですがやっぱり報われない。
人妻も余裕ですけこますスーパー小学生のくせに本命には純。たまりません。
ヒロイン麦子も負けず劣らず魅力的。明るく元気でお人よし、情に厚く涙もろい。
ヒロインですが実に男前です、ある意味輝ちゃんよりも。ヘタレな悪霊や卑劣な悪党に毎度毎度威勢よく啖呵を切るシーンは痛快で胸が透く。イギリス・イタリア・香港と、輝ちゃんと二人で外国中を旅するので観光気分も味わえます。目的は霊退治ですが(麦子的には食い倒れの旅かもしれない)
痛快なテンポで進むコメディも面白いんですが終盤、麦子と輝ちゃんの結び付きがより強まるシリアスな話も大好き。特に輝ちゃんの過去エピソードは……ああ、こんな体験をしたからこそ、自分の人生を太陽のように照らしてくれた麦子を愛しく思ってるんだなあと不器用な一途さに胸が詰まります。ラストの輝ちゃんの笑顔ったらねえよ最高だよお前こそ太陽だよ。両方小学生なんですけどね……凄く可愛くて初々しくて微笑ましい……。
成長した輝ちゃんがエクソシストとして活躍するちょっとダークでアダルトな魔界紳士録もおすすめ。

悪魔憑きとして迫害を受けてきた落ちこぼれ魔法士・カルノと、万物の気を練り合わせて現象を作り変える神霊眼をもつ高校生・勇吹。おのおの持つ異能によって運命に翻弄される少年達を描く。
モノローグが秀逸。台詞がぐさぐさ心の奥のほうにまで刺さる。
最愛の姉を失ってからは誰にも心を開くことなく流離っていたカルノが、おっとり天然高校生・勇吹と出会って少しずつゆるやかに変化していく様子に心温まる。しかし運命は彼らを放っておかない。人ならざれば化け物か神か、その二択しか存在しない過酷な世界において、自らが生まれ持った異能を狙うさまざまな勢力によって翻弄され大事なものを奪われていくふたりの姿が辛い。印象に残るエピソードは多々ありますが、勇吹が屋上にスニーカーと置手紙をおいてカルノに伝言を残すシーンは、淡々としたモノローグと重なって一番涙腺にきました。主役ふたりは勿論のちに彼らの師となるレヴィもいい!

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021110195626 | 編集



マルク・マルドゥーク。
ヴァレンシュタイン家の若き執事にして物腰丁寧な好青年。愛嬌ある丸メガネ、常に涼やかな笑みを絶やさず客人をもてなしお嬢様に紅茶を運ぶそんな彼の正体は……エルミナ暗殺が目的で差し向けられた異能の契約者だった!!
「―って、そんな私がなんで呑気に紅茶なんて運んでるんです!?」
マルクとお屋敷の愉快な仲間たちが織り成すコミカルバトラーファンタジー。

前からイラストに惹かれてたんですが買ってみたら面白かった!キャラも全員立ってます。
苦労性で守銭奴、ツイてない事三流芸人の如しなマルク。「黒衣」の異名で恐れられる最強の暗殺者だったのにあっさり返り討ちに遭い執事に採用。苦労多き人生で培った順応性の高さと技術を生かしてあっというまに環境に馴染みてきぱきと仕事をこなしていく。
高価な壷を手入れすれば売り払いたい誘惑にぐらつき酒蔵を覗けばこれまた売り払いたい衝動に駆られてと、金銭に対し異常な執念を燃やす彼が「こんなはずじゃなかったのに……!」と内心歯噛みしつつ、エルミナや屋敷の使用人たちと絆を深めていく描写が素敵。
アメリカ西部開拓時代がモデルの世界観でキャラの服装や小物などもレトロ。インディアンに該当する先住民も登場します。屋敷の使用人も個性的。ドジで明るく気立てのよい侍女のアイシャ、ふにゃりとした笑顔が食えない年齢不詳の家令ドミニク、そしてちょっとした仕種やなにげない一言が萌えの弾丸をハートに撃ち込んでくるクーデレお嬢様エルミナ。
無口無愛想無表情、滅多に感情を表さない彼女が自分が淹れた紅茶を飲んだ時だけほっと表情を緩ませる様に、本来の目的も忘れときめきを隠せないマルク。二人の距離感がとてもいい!主従もの好きにはたまりません。
基本的に悪人が存在せず死人もでないので読後感がいい。
契約者とは裏世界でのみ知られる存在、なんらかの欠落を抱えた者が成るもの。
その為屋敷の住人は多かれ少なかれ人間不信になるような体験をしてるのですが、それらトラウマを抱え一度は道を踏み外した者たちがエルミナやマルクに手を差し伸べられ、安らげる居場所を見い出していく過程がぐっとくる。
シリーズが進むにつれ屋敷の仲間が増えて周囲が賑やかになっていきます。
物語中に登場する「契約者」とは、自分の命という貨幣の中から対価を支払って精霊と契約した者たちなのですが、この設定も面白い。
個人的なお気に入りは「影執事マルクの迎撃」から登場する宣教師ヨハエル。
性別問わず振り向かせてしまう美形のくせに、能力の対価に喜怒哀楽の喜と楽を支払ってしまったため、悲観主義の塊のようになってしまった泣き虫鬱病神父。
「影執事マルクでの天敵」での変貌ぶりにはおったまげると思います。グレリオも可愛いんだよな……腹黒ショタと見せかけた隠れ健気なんて反則だぜおい……宣教師組大好きです!
マルクとエルミナ(+カナメ)の恋の行方も気になるのですが、アルバとセリアのアダルティーカップル(と呼んでいいのか?)がこれからどうなるのか大変ドキドキするので、ふたりが主役の短編なんか読めるととても嬉しいです。マルクまわりはもうおなかいっぱいだからさ……好きだけど!
マルクがハーレムだったりカナメが男女問わず愛されまくりだったりで一部キャラに矢印が集中してるのですが、個人的にはグレリオ×アイシャやオウマ×カナメを推したい。というかヨハエルにエルミナと契約してほしい。いいキャラしてるのにこのままフェードアウトは不憫すぎ……哀しくて胸が張り裂けそうだ……!

一緒に読みたい本

コミック一巻絶賛発売中!こっちから入る手もあり。
試し読みもできます!

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021110181527 | 編集


健一が少女の髪に挿したかったその美しい花は、なぜか彼女の双子の兄にお似合いだった。
宝代は少女のことをもっともっと知りたくて、彼女自身の日記を自分で毎月書いていた(変態)。
ひねくれ者の智和は仲良くしたい部長の"ホモ疑惑"を一生懸命でちあげる。好きすぎて空回り、恥ずかしすぎて自爆。
不器用な弓道部ライフが今、開幕!!


西桐子が描く眼鏡男子が大好きな事に気付きました。
すいません大好きなんてレベルじゃありません。異様に萌えます。リビドーが炸裂します。
弱小でも強豪でもないなんとも中途半端な開開高校弓道部のゆるゆるぐだぐだな部活風景と、妄想爆裂で空回りしがちなかっこ悪くも情けない高校生男子のラブコメ……
が一巻の内容だったんですが、巻を重ねるごとにスポ根ノリというか、部員それぞれが部活に賭ける意気込みが増してくるしょっぱい涙あり甘酸っぱい恋あり、二ア(?)ホモ胸きゅん友情あり~の青春群像劇。
すごく面白かった!
でてくるキャラがみんなそれぞれ個性的で面白い。
そしてまさかの眼鏡率の高さに私大喜び、しかもみんなタイプがちがっておなかいっぱい。
恵まれた容姿を自虐的な性格と妄想の激しさで台無しにする宝代(左端)馬鹿でお調子者な智和(左から二番目)小姑のように口うるさい弓道オタク堀口(右から二番目)、他にも幼馴染との関係に悩む床屋の息子・和実(最初女の子かと思いました)など眼鏡てんこもりおかわりし放題らりほー!

で、話も面白いんです。
萌えるし燃えるし熱い。

一巻はレギュラーメンバーの恋模様中心。
珍妙な名字に生まれついたせいで子供の頃から持ち物に「食べ」だの「ヤリ」だの落書きされまくってひねくれてしまった宝代(ほうだい)は片想いをこじらせて「その子になりきって日記を書く」という非常に気持ち悪い趣味を隠し持ち、のんびり笹原は男女の双子のどちらが本命なのかと自分の恋の方向性に迷子になり、小姑のように口うるさく女子に煙たがられる堀口は高嶺の花に何故か好かれて困惑し……
と、ばかすぎて憎めない男の子たちが恋に部活にいっぱいいっぱい、じゃなくて一生懸命な姿がすごくイイ。
しかし二巻以降路線が転調、ストーリーがより明確になりスポ根ものとしての側面を強く打ち出す。
旅芸人一座で女形を務める転校生と弓道を介し友情を育む姿はなんともじれったく爽やか。最初はお互いなんだこいつと思ってたのに次第に近付いていく距離とか王道直球ど真ん中を踏まえてたまりません。
家業故に一箇所に留まれず、常に風のように去り行くさだめの友の為に形あるものを残したいと大会に挑む笹原たちの姿に胸が熱くなる。昨今は剣道小説や漫画が流行りですが、弓道というこれまでフィクションの題材にあまりされてこなかった競技に焦点をあて、しかもそこに恋や友情や師弟愛を巧みに絡ませ極上の青春群像物に仕上げる構成が憎い!
それまで不真面目といわぬまでも部活に全力投球せず、たのしけりゃいいやとゆる~いノリでのんべんだらり過ごしてた彼らが、勝利の重みを知って襟を正し弓引く姿が痺れるほどかっこよくて惚れ直す。
「弓道」という競技の要素が強くでてきて、そのぶん一巻でメインだった女子の影が薄くなっちゃったのが残念ではあるんですが、これはこれで凄く面白い。ボーイズラブじゃないんですがその手の描写が好きならニヤケが止まらないエピソードが沢山あります!でもあくまで友情の域をでてないのが美味しいんですよ!!
実は全三巻だとおもってたんで読み終わったあとにシリーズ以下続刊と知り小躍りしました!

一緒に読みたい本

こっちも面白かった。「あいつが一番大切な人になったらどうしよう」……たまんねー。

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読んだ本感想 | コメント(0) | 20021109233409 | 編集



フィクションに救われた経験があるだろうか。
私はある。
人生で一番辛く苦しいとき、私を救ってくれたのは物語だった。
暗闇で生まれた虚構には力が宿る。
私はそれを知っている。
フィクションを愛するすべてのひとはそれを知っている。

本書には年齢も性別もばらばらだが、映画をこよなく愛するという一点で繋がる人々がでてくる。
生き別れの親友にあて話を書く小説家、夫に自殺され自宅にひきこもる女、五千万円を奪って逃亡する高校生カップル、いじめられっ子の小学生を後ろに乗せてバイクを駆るおばさんライダー、祖母に祖父との思い出の映画をみせようと計画する孫たち……。
彼らの人生には否応なく、運命的に映画が絡んでくる。

ひとは必ずしも現実において主役になれるとは限らない。
脇役として終わってしまう平凡な一生もある。
だけど映画を見ている間だけは、あの無敵の暗闇の中でだけは、ひとはだれしも平等に主人公になれる。
だからこそ本作にでてくる人々の映画に対する姿勢には愛があふれている。

レンタルビデオ屋で働く青年はサークルを辞めた経緯をこう話す。

「映研て、映画を撮るサークルだと思ってたら、映画を解釈するために集まってるような奴らばっかりで。最初の頃はみんなと話してると、そんな見方もあるんだぁ、ってためにもなったけど、そのうち粗探しをするみたいに映画を見るようになっちゃって」
「映研にどっぷり浸かっちゃったら、いつか映画を撮る時に心で映画を撮れなくなるなぁ、って思ったから」


彼等は心で映画を見る。
頭でっかちに考察したり解説したり検証したり、そういうのは評論家に任せておけばいい。

だって、映画を見てるあいだくらいはおもいっきり楽しみたいじゃないか。
こんなはずじゃなかったと悔やむばかりの上手くいかない人生のあれやこれや、みんな忘れておもいっきり楽しみじゃないか。 

「太陽がいっぱい」の小説家はどこにいるともしれぬかつての親友にむけ小説を書く。
「主人公には父親がいないほうがいいな」
それが口癖だった龍一(リョンイル)。堤防に腰掛け時が経つのも忘れ学校をサボり観た映画の感想を語り合った、別れ際には精一杯かっこつけ手をふった、何百本もの映画の話をしながらもお互いの家庭の事情についてはしらんぷりした、それが互いへの最低の礼儀だと思ったから。
 しあわせな記憶より不幸せな体験のほうがはるかに多い子供時代の回想の中に必ずあいつがいて、あいつがいる限りガキの自分は不幸じゃなかったとおもえるから、大人になったあいつのために小説を書く。

始まりのブザーが鳴り響き、スクリーンを見上げる客たちの顔が闇に沈んでいく特別な時間の中では境界線が消える。
映画館の暗闇が孕む謎めいた期待と高揚の正体について、作者は登場人物の言葉を借りてこう言わせている。

「映画館の暗闇の中では、俺たちは在日朝鮮人でも在日韓国人でも日本人でもアメリカ人でもなくなって、違う人間になれるんだ。つまりさ、それはこういうことだよ。明かりが落ちていく時の、今回はどんなお話を見られるんだろう、今回はどんな登場人物に会えるんだろう、っていう期待は俺たちの頭や体の中でどんどんと大きく膨らんでいって、完全に明かりが消えた時にはとうとう弾けちまうんだ。その時、俺たちっていう人間も一緒に消えていなくなって、暗闇そのものになるんだよ。そしたら、あとはスクリーンに放たれる光と同化すればいい。そうすれば、俺たちはスクリーンの中で動き回る登場人物になれる。クソみたいな現実からほんの少しのあいだだけでも逃げられる。だから、俺たちは映画館の暗闇の中にいると、ワクワクするんだよ。どうだ?お前もそう思うだろ?」 

思う。
小説であっても同じことだ。
 
作者はフィクションは救済装置成り得るかとの問いに虚構は救い足り得ると肯定する。
館内の暗転と同時に日常は非日常に、現実は虚構に反転する。
作者とその欠片が宿った登場人物たちは価値観の逆転が起こる非日常の闇の中でなら絶望も希望に生まれ変わるだろうとフィクションがもつ力の本質を信仰し、読者もまた彼ら彼女らと視点を共有することによって物語の世界にのめりこんでいく。
本作はそれぞれ主人公の違う短編連作の形式をとりながら、登場人物や場所など各話が微妙にリンクしている。
全ての話に共通するのは、とある町の区民会館で上映された「ローマの休日」のエピソード。
 
最終話でこの「ローマの休日」が何故上映されるに至ったかの経緯が明かされる。
祖父に先立たれがっくり気落ちした祖母を力づけようと立ち上がったおばあちゃん大好きな五人の孫。
祖母と祖父が初めて一緒に観にいった記念の映画を上映すれば、おばあちゃんがそこにいるだけでなんとなく全部がうまくいくような気になってしまうおばあちゃんだいじょうぶパワーもきっと復活するはずと、大学生の「僕」ことテツ、最年少のアホの子ケン坊、おしとやかなリカ、姉御肌の律子ねえちゃん、リバー・フェニックス似でいけすかないニヒルなかおるの従兄弟五人が一致団結して計画を推し進めていくのだが……
これが凄くいい。
それまでの話も全部いいんだけど最後の話は傑作。
五人の孫が、いや、家族全員がおばあちゃんを好きという気持ちがこれでもかと伝わってきて、優しくて不器用でちょっとヌケた登場人物全員がたまらなく愛しくなる。「僕」とかおるのやりとりは仲良すぎて困る。お互い馬の合わない相手なんですが、メールでの口喧嘩が可愛くてにやにやしっぱなし。
おばあちゃんが語るおじいちゃんとの馴れ初めはもう甘酸っぱく初々しく胸いっぱいで……

うまくは言えないけど、準備のできてない人間の前では好きな人は転ばないのではないだろうか。 

深い。深すぎる。
孫達は協力して計画を進めるのだがフィルムの入手や上映場所の確保など課題は山積み、プロデューサーを任された「僕」は大いに頭を悩ませる。
が、「僕」はけっして諦めない。


むかし大好きな人と一緒に観た映画がおばあちゃんに再び元気を取り戻させると信じ。
誰かを救いたいと祈りを込めて送り出されたフィクションには絶対にひとを救う力がやどると信じ。
頭ではない、手先ではない、心が生み出した虚構には魂がやどると信じて。 


救いに昇華された祈りが、それを必要とする人のもとへ正しく届く話である。
徐徐に暗くなっていく区民会館の座席を埋める客たち、スクリーンを見上げる目はどれも期待と興奮に輝いている。
   

「おまえは、どんな映画とか小説がいいんだよ」
龍一は遠くを見るような眼差しを浮かべ、答えた。
「むかしとぜんぜん変わってねえよ。俺の代わりにゲラゲラ笑ってくれたり、マジで怒ってくれたり、ワンワン泣いてくれたり、悪い奴と闘ってくれたり、とにかく分かりやすいやつかな。俺はもうブルース・リーにもマックイーンにもジャッキー・チェンにもなれねぇからな。誰かに代わってもらわねぇとよ」


 
あなたはフィクションを愛しているだろうか。
私は愛している。


映画に限らず小説でも漫画でも、すべてのフィクションに救われた体験のある人はこの小説を読んで欲しい。
きっと共感できるはずだから。
上から下へ緩慢に流れるエンドロールが終わり、館内が次第に白んでいくのを待つような、満ち足りた思いで本を閉じることができるはずだから。 

一緒に読みたい本

テツの通う大学が出てきたりリンクの仕掛けが憎い。「花」で泣いた。

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021108002542 | 編集



「堀田―お前は強い。恥ずかしい話だが、二日間稽古しておれはお前から一本も取れなかった。まったく情けない限りだ。それだけにおれは自信を持って言える。お前は強い」
おれは堀田の少々離れ離れになった目をのぞきこみ、うなずいてみせた。続いて他の三人の顔を見渡した。
「もちろん―負けることもあるだろう。けれど、それはいいんだ。負けてもいい。剣道は勝負がすべてじゃない。だが、やる前から負けるとは絶対に思うな。相手は京都と大阪だ。怖いと感じることもあるかもしれない。別に怖くなってもいいんだ。それは人間の自然な感情だ。ただ、やる前からあきらめるな。それは相手に負けたんじゃない。自分に負けたんだ」
じっとおれの顔を見上げていた堀田が真面目な顔で、
「教師らしいことも言えるんですね」とつぶやいた。
「うるさい」


「まったく、妙な話だよ。人間という生き物は文字にしないと忘れてしまう。本当に大事なことは、文字にしてはいけない。言葉とは魂だからだ。だが、そのことを人間はすっかり忘れてしまったらしい」



「きみ、ちょっと女子高に行ってみないか?」
神経衰弱を疑われ、そう教授に肩を叩かれ態よく厄介払いされた「おれ」。
産休代理の教師として赴任した先では何故か自分を目の敵にする女生徒と遭遇、未知の地・奈良での新生活は初っ端から前途多難。
ひとりたそがれていたところにやってきたのは一頭の雌鹿。
彼女―もとい、「彼」はおれをしげしげ見つめ、渋みを帯びた低音で語りかける。 
「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」。
 
神の使いの鹿に勝手に救国の使命を託されたツイてない男が、京都と奈良を文字通り東奔西走するファンタジー。
あをによしとはなんぞや?と調べたら奈良を修飾する枕詞「あをによし(青丹よし)」みたいですね。
本作は主人公=「おれ」の一人称ですすむのですが、語り口がユーモラスで味わい深く、「おれ」のキャラも面白い。
一言でいうと大人げない、怒りっぽいへタレなんですが、基本的に悪人じゃないから憎めない。
やることがどんどん裏目にでてしまうのがおかしいやら不憫やらその空回りぐあいはいっそ愛しくなってくる。
研究室をひょんなことから疎まれ追い出され、不本意ながら教師とした赴任した先では早々トラブルに見舞われ自信喪失。御年28にしてモラトリアムに陥るなど意固地な不器用さが可愛い可愛い。
しかせんべいの誘惑に負けてこっそりつまみ食いしちゃうシーンなんてにやにやがとまりませんよ……!

おれはもう一度鹿せんべいの匂いを嗅ぐふりをして、前歯で少しだけ割ってみた。
まるで抗議の意思をこめているかのように、鹿がおれを見上げていた。
欠けた満月のようになったせんべいを鹿にくれてやり、おれは齧った部分を慎重に味わった。
どうしよう。意外とうまい。
次の一枚は、さっきよりも少し多めにいただいた。
芳醇な味わいのクラッカーのようなものである。歯ごたえもなかなかよい。いよいよおいしい。
残りは一枚である。おれはそれを半分に割った。小さく割れたほうを鹿にあげたかったが、さすがにそれはまずいと思い、大きいほうをくれてやった。



しかせんべい 食うか食わぬか 問題だ(五七五)
奈良公園を訪れた方はだれしも一度はしかせんべいを食したい誘惑に襲われるとおもうのですが(ないとは言わせん)実際に何割かは口にするとおもうのですが(ご安心を私もです)その葛藤と意外に美味だった驚きを今だかつてここまでみみっちくユーモラスに書いた作者がいただろうか……。
こんなヤツなので人格に多少難アリで胃腸が弱く神経衰弱気味だろうが愛さずにはいられません。
文章は平易で読みやすく、そこかしこにウィットなユーモアがちりばめられ飽きさせない。
主人公も魅力的なんですが、相棒の鹿も輝いてる。
「人間は嫌いだが人間が作った食べ物は大好きだ」と宣言しポッキーをばりばり貪り食い、救国の英雄とよぶには甚だ頼りない主人公になにくれとアドバイスし、へタレた時には角で尻を突き刺したり必殺後ろ足キックで活を入れる。鹿いいよ鹿しぶいよ鹿。普通は「可愛い」と形容すべき生き物なんでしょうが、こいつの場合はしぶさが際立っています。おれとのとぼけたやりとりにはつい笑ってしまう。
そしておばあちゃんみたいな名前のヒロイン、堀田イト。
おれが担任することになった1―Aの生徒、初対面にもかかわらず何故か敵視してくる天敵。第一声「マイシカ」のインパクトは絶大でした。最初は水と油のように反発しあってた二人の変化に注目。
これがすごくいい……!
小説におけるヒロイン的存在、それも女子高生となるといかにも~な美少女を連想しがちですが、この堀田は目が少々離れてるせいで「野性的魚顔」だの評される。

新ジャンル・魚顔。
斬新すぎるヒロインです。

いや、後にこづくりで可愛い顔だとフォローしてますが魚顔ってあんた多感な時期の女子にむかって……。
性格はというとツンデレ。凄いツンデレ。
序盤からツンツンツン、行動背景がわからなかった段階では「なんだこいつ」と不愉快になったりしたのですが理由がわかるにつれ同情と共感を覚えました。
剣道部への入部・大和杯参加をきっかけに水と油のぎすぎすした関係が教師と生徒、師弟のそれに変わり始める過程がイイ!大和杯を目前にしたおれが一堂に会した部員に飛ばす檄には痺れました。ちゃんと先生してる、成長したなあ……。
正直序盤は何が進行してるのか把握できず、おれも状況に翻弄され「嘘だろありえない夢だよな」と否定するばかりで少しだるく感じたのですが、中盤の鹿との対話で仕掛けが明かされ事態の深刻さが開示されるやがぜん面白さを増す。
サンカクとはなにか、目とは何か、それがないとどんな災いが降りかかるのか。
序盤は半信半疑、鹿に操られ自分の意志などおいてけぼりで状況に流されていたおれが、サンカクを手に入れるため自発的に頑張りだす中盤からが熱い!剣道試合にて堀田無双が始まってからボルテージあがりっぱなし、それは最終戦で最高潮に達する。試合シーンの手に汗握る迫力と緊迫感は素晴らしく、運び番の任も世界の運命も忘れ心の底から堀田を応援してしまうおれに完全に同調する。
以降どんでん返しありーの伏線回収ありーのと練られた展開にひきこまれ一気読み。
もう堀田がどんどん可愛くなってくる。
下宿を訪ねてきたときのやりとりなんて秀逸ですよ。
にやにやするわそわそわするわおいこっちが恥ずかしいよ!
抜粋しようか悩んだんですがこれはぜひ原作で読んで欲しい、初々しくもじれったいやりとりに笑み崩れること請け合いですから。

ラストの落としどころがまた憎い。ここで終わるか!卑怯な!ある意味すごく鬼畜です。
そりゃ鹿になってまで自分を救おうとした男に惚れないわけないわな……。
元に戻す条件がアレってのはベタな約束ですが、もし相手の事をなんとも思ってなかったら効かないよなあ。まさかあれっきりなんてことはないよね?二人のその後がすごく気になるので続編を期待したいのですがさすがにむりかなあ……一人(一匹?)だけでてきてない狐の存在も気になります。堀田視点で語りなおしても面白そう。

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021107183852 | 編集


ホモな友人とノンケなおれ、笑いあり涙ありポロリもあるよ!なおばか高校生ライフ=青春グラフィティ。
黒髪眼鏡いいね最高正義!腹黒サドなくせにネコな白州がフェロモン垂れ流しでたまりません。馬鹿で単純で鈍感だけど友情に厚いイイヤツな有田も素敵。
だけどこの白州二巻でなんと脱メガネをしやがるんですよ。許せますか奥さん。こともあろうにメガネからコンタクトに乗り換えやがるんですよ許せません、これはメガネ侮辱罪です!!脱メガネショックがあまりに激しくて実は二巻以降読んでないんですが(おい)彼は三巻でメガネに戻るのでしょうか……?もし戻ってたら買おうかなと悩むのですがそこんとこどうなんでしょう。表紙ではメガネなんですが。表紙メガネ詐欺とかやめてお願いやめて。



スウガク大好き。以上。
日々に鬱屈を抱えた冴えない受験生が数学だけずばぬけた成績を誇るアブナイ同級生に唆されて人生一発逆転を賭けたゲームに挑む。スウガクがとてもエロい。とてもエロい。学ランに黒髪メガネとかエロすぎる。なんかもう全てがエロい。中学生にして保健室で女医と×××とかそのどさまぎで××を噛み切っちゃうとか武勇伝の持ち主。
原作も面白いですよ!!



スマイルは俺の嫁。憧れとか挫折とか焦燥とか葛藤とかそういうものと真正面からぶつかったスポ根もの。
「眼鏡の上から叩かないでくださいよ非常識な」に萌え過ぎて死亡した女子多数。


いま最も跪きたい眼鏡の一人。
この容姿でインテリヤクザで若頭で頭脳明晰冷静沈着実は喧嘩も強い、へタレで隠れヒーローな主人公の心強い相棒で参謀なんてどこまでハートを掴めば気がすむ竜哉。いや竜哉様。靴にキスさせてください。


この表紙だとギャグに走ってますが梶さんちょーかっけーです、半端ねーっす。さすが未来の総理を目指す族上がり。彼のおかげで七三分けの魅力に開眼しました。俺様な性格もツボです。
余談ですが青年誌で男同士のベロチューとか初めて見たよ。衝撃だよ。もちろん梶受けだよ。


少女漫画らしい絵柄に反し中身は哲学。ハーレムものの王道を行くと見せかけてそれをずらす仕組みが憎い。
ステューかっこいい……クイズ対決の時の緊張感にぞくぞくする。風刺のセンスが鋭いスマートな紳士。



志木はうなじ美人。愛情があったりなかったりする毒舌がたまりません。


天然童顔とクールな眼鏡、麻薬捜査官コンビがドラッグにまつわる事件の謎を追うサスペンス。
最初はハルに惚れたんですがのちに梶山さんの男気におちました(……)



不機嫌で怒りっぽい主任。ガミガミうるさい主人公の上司。
眉間にすっごい皺を刻んだ悪人顔のままあら不思議受話器をとればきらきら営業ボイスが紡がれる仕組み。


中村明日美子てこういう話も描けるんだーと。新刊でるとつい買ってしまう作家のひとり。
こういうこと言うのはぶっちゃけとても恥ずかしいんですが受けの刑事がビジュアルから性格からリマリマの久住に似すぎて平常心で読めなかっ……


私の眼鏡萌えの原点。島崎は理想の少年。しかもカバーイラスト志村貴子だし。そりゃ買うし。既に持ってるんですけどね……。
「今夜は眠れない」じゃなくこっちを紹介したのはよりほろ苦く切ない余韻が好きだから。
平凡なサッカー少年雅男と頭の切れるイケメン親友・島崎が巻き込まれた事件とは?
余談ですが青い鳥文庫版の表紙も可愛いです。


ツンデレな上に俺様という不治の二重苦を併発した亮輝が大好きです。


Q オールバックメガネは好きですか?
A 大好きです。
本来伊達メガネはメガネにあらず派なんですがサリエルは許す。似合うから。
彼の魅力はジゴロか高利貸しに見紛う目つきの極悪さですよね!あと音楽に捧ぐ真摯な情熱。


私ほんとこういう系統の受け好きだよなあと思う。
好きな話なんですがひとつ疑問があるんです。彼は初登場時眼鏡なんですが途中脈絡なく眼鏡外してそのままなんです。なんで?外した理由は何??描写されてなかったよね??というか外して支障なさそうに見えるのはコンタクトしてるからなの?眼鏡萌えとしてスルーできないんですが。


白状します、実はこれを紹介したかったんです。だから記事を書きました。
主人公は表紙の関根くん(30)。容姿端麗エリートサラリーマン、来るもの拒まず去るもの追わず主義。器用でなんでもできるが故にふらふら流され生きてきた男。
このサイトさまで知って衝動的に購入。表紙に一目惚れ。アマゾンでちょっとだけ中身を読めるんですがそれで完全に落ちました。イライラした顔がなんて素敵なんだろう。この気だるげなポーズと視線たまんねえ……やべえ……。

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読んだ本感想 | コメント(330) | 20021106194146 | 編集

ペーパームーン (Wings comics)ペーパームーン (Wings comics)
(1999/06/25)
山田 睦月

商品詳細を見る

ちょっと古い漫画だけど大好き。作中に流れる時間がとても穏やかで優しい。底に音楽が流れているような話。
無精ひげを剃ると美形に早がわりのやさぐれジゴロが大好きです。

ピアノの上の天使 (1) (Wings comics)ピアノの上の天使 (1) (Wings comics)
(1997/04)
尾崎 かおり

商品詳細を見る

バーのピアノ弾きと天使のように愛らしい娘を軸にした人間模様。
痛くていとおしくてくるおしい。メテオメトセラもいいけどこっちも傑作。

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)
(2009/11/20)
市川 春子

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長野まゆみ的な世界観の短編集。家族愛が一番前面に出てるのは表題作。
言葉もなく机に突っ伏すラストのコマが重い。

しろいくも (IKKI COMICS)しろいくも (IKKI COMICS)
(2004/11/30)
岩岡 ヒサエ

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人物の描き方で好き嫌いが分かれるけど空白に詩情を仮託するモノローグがとても好きです。

まるいち的風景 第1巻 (白泉社文庫 や 7-5)まるいち的風景 第1巻 (白泉社文庫 や 7-5)
(2008/07/15)
柳原 望

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行動トレース型ロボットまるいちを通して触れ合う人の心を描くハートフルドラマ。
派手さはないけどそこがいい。ほろりとくる。

3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)
(2008/02/22)
羽海野 チカ

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あがく主人公とそれを温かく優しくときに厳しく見守る人々。

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021105203709 | 編集

泣ける漫画特集。

ダスク ストーリィ 1 (クリムゾンコミック)ダスク ストーリィ 1 (クリムゾンコミック)
(1999/11/25)
TONO

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幽霊が見える少年ダスクのハートフルストーリー。
TОNОさんの描く漫画は痛い。そして切ない。どこまでも純粋に尖った結晶のような話。
二巻収録の小さな幽霊の話は反則。
「僕はこんな小さな女の子を怖がってたんだ」の一言で涙腺決壊。

花田少年史 (1) (アッパーズKC (170))花田少年史 (1) (アッパーズKC (170))
(2002/10/03)
一色 まこと

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事故をきっかけに幽霊が見えるようになったやんちゃな小学生。
凄いベタ。凄い直球。泣かずにいられようか浪花節。猫の話が一番きました。アニメもよかったー。

猫の島 (集英社文庫―コミック版)猫の島 (集英社文庫―コミック版)
(2005/09/16)
小花 美穂

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小学生の時雑誌で立ち読みして号泣しました。

最終兵器彼女 (2) (ビッグコミックス)最終兵器彼女 (2) (ビッグコミックス)
(2000/07)
高橋 しん

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これはガチ。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 上砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 上
(2008/03/08)
桜庭 一樹

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好きって絶望だよね。
どうにもならなかったことが結局どうにもならなかった話。

ぼくんち (ビッグコミックス)ぼくんち (ビッグコミックス)
(2003/04)
西原 理恵子

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鼻水流したのは最初で最後。

少年怪奇劇場 上巻 (あすかコミックスDX)少年怪奇劇場 上巻 (あすかコミックスDX)
(2009/12/26)
なるしま ゆり

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粒ぞろいの短編集。モノローグがざくざく突き刺さる。台詞選びの天才。

G戦場ヘヴンズドア 1 (IKKI COMICS)G戦場ヘヴンズドア 1 (IKKI COMICS)
(2003/03)
日本橋 ヨヲコ

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熱すぎるんだよ畜生。

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021104162345 | 編集



大地は血を飽食し、空は炎に焦がされる。

人は皆、剣を持って滅ぼし尽くし、息ある者は一人たりとも残さない。
男を殺せ。女を殺せ。老婆を殺せ。赤子を殺せ。
犬を殺し、牛馬を殺し、驢馬を殺し、山羊を殺せ。

――大虐殺ホロコーストを。
目に映るもの諸々残さず、生贄の祭壇に捧げて火を放て。

この永劫に続く既知感ゲットーを。

超えるためなら総て焼き尽くしても構わない。

1945年、5月1日……ドイツ。
陥落するベルリンにあって、ある儀式を行っている者たちがいた。
彼らにとって戦争に敗北することなど些事であり、むしろそれによって生じる夥しい犠牲者たちを、儀式の触媒として生贄に捧げようとしていた。
その試みが成功したのか失敗したのか、誰にも分からない。
彼らは終戦後、行方をくらまし、生きているのか死んでいるのか、
そもそもそんな者たちが本当に存在したのか、やはり誰も分からないまま、噂だけが広がっていく。

聖槍十三騎士団――ナチスドイツの闇が生んだ超人たち。

彼らはいずれ戻ってくる。
そのとき世界は破滅する。
ゆえに、再来を許してはならない――と。

そして61年の歳月が流れた。
彼らを知っている者たちは、その大半が死んでしまい、皆が彼らを忘れていた。
しかし――

2006年……日本。
諏訪原市の学園に通う藤井蓮は、とある事件を境に親友・遊佐司狼と決裂し、殺し合いじみた喧嘩の果てに二ヶ月間の入院生活を余儀なくされていた。

季節は秋から冬に――クリスマスを間近に控えた12月。

半身をもがれたような喪失感を覚えつつも、退院した蓮は司狼のいない新たな日常を構築し直そうと思っていた。
失ったものは戻らない。
ならせめて、今この手にあるものを大切にしたいと思いながら。

しかし、それすらも崩れ去る。

夜毎見る断頭台の夢。
人の首を狩る殺人犯。
それを追う黒衣の“騎士”たち。

常識を超えた不条理が街を覆い、侵食していく。
その異常は二ヶ月前の比ではなく、今まで積み上げてきたすべてのものを粉砕する暴力的なまでの非日常。

変わらなければ、生きられない。
生き残らないと、戻れない。

加速度的に狂っていく世界の中、蓮は独り、日常と非日常の境界線を踏み越える。

何も大層なことを望んでいるわけじゃない。
正義や大義を振りかざしたいわけでもない。
ただ、還りたいだけ。
つまらない、退屈だけど平凡で暖かかったあの頃に。

悲壮な決意を期する胸に、司狼の声が木霊する。

この街に住んでいたら、遅かれ早かれどいつもこいつも気が狂う――と。

聖槍十三騎士団との戦い。
狂気と殺戮と呪いに満ちた戦争の続き。

その果てに、蓮はいったい何を見るのか。



ご無沙汰してますまさみです。更新さぼってごめんなさい。
なにをしてたかというとエロゲーにはまってました。
心配おかけした方々すいません……体調不良というわけでもなくただのサボリです……ペース配分が悪くひとつのことに熱中すると他のことが手につかなくなるんです。言い訳はしませんので石を投げてください。
ですがこのゲームすっげーーーー面白くて!!血沸き肉踊り燃えに萌えて大変ですよ!!ちょっとこの興奮を吐き出さない事にはいられないので感想を書き散らかすのを許してくださいお願いします!そんであわよくば一人でも多くの方に興味を持っていただければ得難き光栄。
 ジャンルは学園伝奇オペラ。
 女顔にコンプレックスを抱く高校生・藤井蓮が住む諏訪原市で発生する連続殺人事件。
 親友・司狼と喧嘩別れし沈む蓮は、それでも同級生の香澄や先輩とともに平穏な日常を送っていたのが、ナチス軍服に身を包む謎の敵の出現により否応なく非日常に巻き込まれていく……。
 とにかくすごい。何が凄いって色々すごい。これでもかと練りこまれた厨二設定とか美形キャラの多さとかエロゲにあるまじき男の多さとか(OPは男率高すぎてエロゲーに見えないと評判です)そしてなんといってもキャラの立ちっぷりがすげえ!近親相姦で生まれた畜生児にしてアルビノ戦闘狂ベイ中尉(巻き舌が癖になる)性悪ロリババアルサルカ(上目遣い反則)糸目眼鏡イカレ神父トリファ(真性です)クーデレ+ツンデレで詰めが甘い蛍など、主人公側はもとより敵役の黒円卓が魅力的すぎてもう本当どうしようハアハア。というかエロゲーなのに女性サービス盛り込みすぎです。いいんですか?大歓迎です、もっとやれ。というか公式サイトで月替わり壁紙配布してるんですが、仮にもエロゲで男オンリーの壁紙なんて初めて見ましたよ……背中合わせのベイとシュライバーの壁紙ほしかった……。
 私が腐ってるものでどうしても妄想がそちらに流れがちなんですが、ストーリーも熱い!バトルも熱い!萌え、というよりむしろ燃え!!エロなどおまけにすぎん、バトルこそ真骨頂。声優さんの熱演&怪演もすげえ。私はそちら方面に造詣が深くないのですが、かなり有名どころを起用してるそうです。凄く先が気になるのについつい最後まで聞き入ってしまうダブルバインド……。
 私の支離滅裂な説明ではこのゲームの面白さを伝えきれないのが悔しいです。
 以下、登場キャラについて感想を。一部愛が偏ってるかもしれませんが生ぬるくお見逃しください。

Dies irae~Acta est Fabula~応援中!藤井蓮
主人公。キャラ紹介で既に「女性然とした柔らかい顔立ちがコンプレックスになっているため、容姿を褒められると不機嫌になる」とか言われてます。ほぼ全ヒロイン+女性陣に「やつれた顔がとっても美人。色っぽい」「なんで男のくせにそんなにキレイなのよ、むかつく」「れーんたんw」と絶賛されてます。これなんてボブゲ。されど中身はしっかり男の子、自分の大切なものやひと、日常を守る為に過酷な戦いを決意する姿に惚れる。自分の大切な人>>その他大勢という利己的な考え方、その優劣を自覚した上で葛藤したり罪悪感に悩んだりと忙しい。誠実ではあるんだよなあすごく……彼の台詞というか考え方で一番共感したのは

「生まれは人ならずとも、人の道理で育てば人になる」

シュライバーやベイの生い立ちを省みてほんとそうだよなあと痛感しました。
いいこと言うぜ蓮たん。さすが主人公は伊達じゃねえ。
ギロチンを腕から生やして戦います。各ヒロインから愛されまくり求婚されまくりのモテ男ですがそれ以上に司狼との絡みが濃くてびっくりです。屋上で殴りあいなんて青春だね。バイク二ケツなんて青春だね。二人が背中合わせに立ってるCGはかっこよくて好きです。

Dies irae~Acta est Fabula~応援中!遊佐司狼
蓮と仲良すぎなんなの?てかんじです。なんなの?女ユーザー来い来いなの?クールにチャラけてスカした天才肌。

Dies irae~Acta est Fabula~応援中!綾瀬香澄(ヒロイン1)
愛称バカスミ。馬鹿でうるさくて時々うざいけどいい娘さんです。蓮の愛すべき日常の象徴。やっぱこういう子が一人はいないと。
「ぷっちーん」「ぷりーん」のやりとりが好きです。

Dies irae~Acta est Fabula~応援中!マリィ(ヒロイン2)
断頭台のもとに生まれ断頭台のもとで死ぬ黄昏の少女。霊体として留まり続ける特異点。蓮のパートナー。
蓮とシンクロして真っ白な状態から少しずつ人の感情を学んでいく姿がいじらしくて可愛い。保護欲くすぐる。ぴよぴよあとをついてくるひよこのような……きっと髪の色とアホ毛のせい……にぱーっとした笑顔がすげえめんこいです。話が進むにつれ男前になっていきます。お母さんはあなたの成長が嬉しい。両親には首を傾げたのに夫婦の意味はちゃんとわかってるあたり語彙の範囲が謎。たぶんヒロイン中屈指の巨乳の持ち主。初めてなのにすごい技もってる!と蓮が感動してました。けしからんです。
個人的にはマリィ√のバトルが一番燃えました。蓮の創造がきっかけとなり、それが司狼や蛍にも派生し戦況を塗り替えるとことかぞくぞくした。あそこの演出はすげえ……。

Dies irae~Acta est Fabula~応援中!氷室玲愛(ヒロイン3)
悲劇のヒロイン先輩。電波で不思議ちゃんな先輩。棒読みボイスが可愛い先輩。メールの顔文字には不覚にもウケました。
自√は黒円卓の面々にもってかれちゃったのが可哀想ですが、教会でのリザとの会話にジンときました。

Dies irae~Acta est Fabula~応援中!桜井蛍(ヒロイン4)
クーデレでツンデレな戦うヒロイン。マリィが武器なら蛍は戦友、ともに敵に挑む仲間。初登場時のクールビューティーぶりが嘘のように中盤以降いじられキャラに変身します。蛍√よりマリィ√での対ザミエル戦が印象に残ってますね……めちゃくちゃかっこよかった。コンビニの安いパンツに文句たらたらなとこにウケました。ギャップ萌え。

Dies irae~Acta est Fabula~応援中!ヴィルヘルム・エーレンブルグ
一番好きです。最愛キャラ。通称ベイ中尉。
父と娘の近親相姦で生まれた畜生児、日の光を忌むアルビノ吸血鬼で生粋の外国人嫌い、殺人狂で戦闘狂というクールな見た目に反し危険すぎる男。「濡れたか勃ったか淫乱しろや」「いいぜえてめえ、そそるぜ食いてえたまんねえ」などイカレた台詞の数々に痺れます。もうほんと好きだベイ。大好き。VS司狼も好きですがやっぱ先輩√シュライバーとの因縁対決に燃え狂いましたね!もうかっこいいよ……なんなのもう。「あばよ、くたばっちまえ」とかこっちがくたばりそうなんですが、かっこよすぎて。しかし闇の不死鳥や白薔薇のたとえは紙一重で笑いそうになります……ヤンデレヘルガ姉さんも大好きです。ロリ貧乳万歳。

Dies irae~Acta est Fabula~応援中!ウォルフガング・シュライバー
ラスボス獣殿に付き従う大隊長、三騎士のひとり。白騎士。言動のイカレ具合が半端ない。そして過去の壮絶さも半端ねえ……。外見は右目に眼帯をした十代前半、天使のような愛らしい容貌と華奢な体躯の美少年なのですがやることのえぐさったらない。マリィ√、ルサルカへの仕打ちにはびびりました。こええよ。死に際が欝るキャラ№1でもあります。というか彼やベイの生い立ちは詳しく描写するだけで18禁に抵触する……。黒円卓結成エピソードを綴ったCDドラマではベイとの掛け合いに萌え死にそうになりました。はいて……ない!?声優さんの演技凄すぎます。死に際の一人二役にはもうやめてくれー司狼はやくとどめさせーと叫びたくなりました……鬼気迫りすぎだろ……ああ胸が痛い。

Dies irae~Acta est Fabula~応援中!ヴァレリア・トリファ
玲愛が住む教会の神父。眼鏡で長身糸目の美形、おっとりした敬語をしゃべる。香澄√のラスボスといっても過言ではない。
ある意味登場人物の中で一番狂ってます。「繰り返しますよ繰り返しますよ繰り返しますよ」とか。玲愛に感じてたのは父性愛なんだろうなあ……。リザと先輩とずっと家族ごっこを続けててほしかった。無理なんだけど。先輩√最大の功労者。シュライバーの精神レイプはその手があったかー!と目から鱗。

Dies irae~Acta est Fabula~応援中!ルサルカ・マリーア・シュヴェーゲリン
拷問大好き性悪ロリババアの魔女。男は断然犯したい派。拷問部屋の爪剥ぎHとかマニアックすぎだろ……ルサルカのボイスはキャラにあっててすごく好きです。いかにも猫かぶってますよ~てかんじで。可愛いカオしてドス黒いですよ~てかんじで。女性陣では一番お気に入り。先輩√以外での死に際酷いけどな……首ちょんぱだったり生首メッセンジャーだったり描写さえなかったり。教室でのベイとのやりとりに和んだのは秘密です。仲良しさんだ。

Dies irae~Acta est Fabula~応援中!リザ・ブレンナー
玲愛の育ての親。泣きぼくろが似合うFカップ美人シスター。やってることはド外道なんですが人間臭い偽善者は嫌いになれません。
先輩√での教会でのやりとりは反則だろ……「私の子供を抱かせてあげる。名前をつけて。今度はちゃんと愛して」とか。マリィ√病院での行動とか、当初の目的とは矛盾してるんだけどその矛盾も含めてすごく人間臭くて好き。


全員書こうとしたけど疲れてきたんでこのへんで……はあはあ。他にも赤バラライカことザミエルの姉御や愛の権化獣殿、しゃべり方が胡散くせえええ副首領について語りたかった……無念。
全員キャラ濃すぎ立ちまくりですげー化学反応おこしてます。攻略推奨順は香澄√→蛍√→マリィ√→先輩√なんですが、最後の先輩√は黒円卓内紛√。黒円卓好きにはたまんねえ。  
ナチス、軍人、魔術、騎士団と厨二要素を濃縮した作品ゆえに好き嫌いが分かれるかもしれませんので三章までプレイできる体験版をおすすめ。私はこれで購入決定しました。ベイかっけえぇえ……声優さんの熱演が堪能できます。

なおこのゲームは2007年度に未完成版が出た経緯で同タイトルが複数でてるのですが、興味をもった・無駄な出費をしたくない・安全牌がいいという方は通常完全版を買えば間違いないと思います。
ですがハマると登場人物の経歴やイラストを収録した設定集(通称・白本)が欲しくなるジレンマが……CDドラマも完成度高くてお勧め。本編への伏線となるネタが仕込まれててにやりとできます。

あーとにかく面白かった。面白かったぞー畜生劣等の分際で上等じゃねえか!(すいません劣等て言ってみたかっただけ)
CGもすごく綺麗、上手い。女キャラは可愛くキレイで凛々しく、男キャラは最高にかっこよくセクシーに魅せてくれます。ああ面白かった……。 
支離滅裂なレビューになってしまいました。
反省します。でも後悔はしねえ。
この余韻が落ち着いたら通常更新にもどります!もう少々お待ちください。


一部盛大なネタバレを含むМAD。すげー好き。
オープニングはこっち。

気になった方は公式へGO!
“Dies irae~Acta est Fabula~応援中!

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021103174211 | 編集

「読んで面白かった本」番外編、独断と偏見に基づくアニメ化してほしい漫画ベスト10をやってみます。
理由は衝動です。なんとなくです。あと私がとりあげる作品はマイナーが多いのでこれを機に一人でも多くの人に知って欲しいという布教の企みもあります。最近はなんでもかんでもアニメ化するのでもしここでぽろっと零したのが現実になっちゃったら嬉しいな……!なんてな!

ドロヘドロ 1 BIC COMICS IKKIドロヘドロ 1 BIC COMICS IKKI
(2002/01)
林田 球

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のっけからハードル高いのとりあげてみました。好きなものは好きだからしょうがないって開き直るぜいえい。
ギョーザと魔法使いとトカゲ男のほのぼのグロ、殺戮のちコメディみたいなお話。
魔法使いの実験台とされた異形の人間が住む街・ホールにて、美味しいギョーザを作って売る二階堂とそのマブダチ、記憶喪失のトカゲ男カイマン。己の記憶を捜し元の姿に戻ろうとするカイマンの前に次々と刺客が現れて……
キャラが魅力的。ほのぼの+グロという矛盾する要素が絶妙な化学反応を起こしてやみつきになる。一番好きなのは心先輩。でもみんな可愛い……正直アニメ化できたら凄いと思います。モザイクだらけになりそうです。できるもんならしてみろ!いやしてくださいお願いします。

Under the Rose (1) 冬の物語    バースコミックスデラックスUnder the Rose (1) 冬の物語 バースコミックスデラックス
(2003/10/24)
船戸 明里

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刊行ペースが一年に一巻なのでアニメ化したらすぐストックなくなって追いつかれそうな気がしますがそれでも見てみたい……この背景とゴシックな雰囲気を再現してほしい……19世紀英国の伯爵家を舞台にしたドロドロ愛憎劇。濃密な人間関係にハマる。品行方正な優等生と見せかけた腹黒ドSウィリアムと、そんな年下の彼に調教され背徳の快楽に目覚めていく家庭教師レイチェルの運命に注目。階段の上としたで見つめあうだけでこんなにエロい漫画もそうそうない。ストイックエロスです。

キューティクル探偵因幡 5 (Gファンタジーコミックス)キューティクル探偵因幡 5 (Gファンタジーコミックス)
(2010/02/27)
もち

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狼人間の血を受け継ぐ元警察犬(シークレットドーベルマン)、現在探偵として失踪した弟の行方を追う毛フェチの因幡と愉快な仲間たちのドタバタコメディ。ギャグが強烈で楽しい。思わず口走りたくなる名台詞多々。緒方と荻の腐れ縁コンビがとくに好きです。ステラとゆじゅきも年の差好きにはたまんねーぜ!

神様ドォルズ 6 (サンデーGXコミックス)神様ドォルズ 6 (サンデーGXコミックス)
(2010/02/19)
やまむら はじめ

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アキがヤンデレすぎてたまりません。縛られたりどつかれたり電気ショックされたりなんのサービスなんだ。
ロリ好き妹萌えな人もたまらん漫画。生意気ショタもいるよ!サングラス無精ひげのおっかないあんちゃんと生意気ショタが擬似家族でほのぼのしちゃったりするよ!そういうの好きな人もぜひ!

ARAGO 1 ロンドン市警特殊犯罪捜査官 (少年サンデーコミックス)ARAGO 1 ロンドン市警特殊犯罪捜査官 (少年サンデーコミックス)
(2010/03/18)
新井 隆広

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サンデー漫画はもっとアニメ化されてもいいと思う。
短気で喧嘩っ早くて兄貴にコンプレックス持ちのアラゴが可愛すぎる。アクションもかっこいい。

アライブ 最終進化的少年(20) (講談社コミックス月刊マガジン)アライブ 最終進化的少年(20) (講談社コミックス月刊マガジン)
(2010/02/17)
あだち とか

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アニメ化発表されてから一年以上たつんですが……どうなったんだ……。

百鬼夜行抄 1 新版 (ソノラマコミック文庫 い 65-5)百鬼夜行抄 1 新版 (ソノラマコミック文庫 い 65-5)
(2007/10)
今 市子

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少し前に実写ドラマ化しました……なんで実写なの……オジロとオグロの人形(?)出てきた瞬間にテレビを消してしまいました。
和風・妖怪好きはもちろん民俗学好きにもおすすめ。読めば読むほど味がでる。人間関係が込み入ってるので一読じゃちょっと理解できないけど繰り返し読むうちに伏線が解けてくるのもまた乙。

メテオ・メトセラ (10) (WINGS COMICS)メテオ・メトセラ (10) (WINGS COMICS)
(2009/10/24)
尾崎 かおり

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大好き。アニメ化……は……むずかしい気しますが。

ZONE-00 1 (あすかコミックスDX)ZONE-00 1 (あすかコミックスDX)
(2007/05/26)
九条 キヨ

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人間を化け物へ変えるZONE-00なるドラッグを巡る人ともののけの壮絶な戦い。
絵が美麗かつスタイリッシュ。出てくるキャラ美形ぞろいなので目の保養になる。そしてこれでもかという下ネタとギャグのオンパレード。腐的な絡みも多くて美味しい(俺様兄が双子の弟にベロチューとかヤンデレショタがガテン系猫又をストーキングとかお兄ちゃん好き好きな男の娘とか)三輪山が……眼鏡で七三分けで警部命で隠れた実力者の三輪山が大好きです……。

忘却のクレイドル(1) (BLADE COMICS)忘却のクレイドル(1) (BLADE COMICS)
(2010/02/10)
藤野もやむ

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15歳以上の少年少女に軍事訓練を貸すことが法制化されたとある国。
孤島に隔離された主人公がある日目覚めると施設は廃墟と化し大人たちの姿が消失していた。
閉鎖空間でのサバイバル。読み応えあり。

(ニコ) 1 完全版 (アクションコミックス)(ニコ) 1 完全版 (アクションコミックス)
(2009/01/10)
タカハシ マコ

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抱きしめたいほど可愛くて致死量の毒。ロリポップの中の青酸カリ、そんなお話。

CLOTH ROAD 8 (ヤングジャンプコミックス)CLOTH ROAD 8 (ヤングジャンプコミックス)
(2009/12/18)
倉田 英之okama

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描きこみがすごい。熱い。

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関連記事 [読んだ本感想]
読んだ本感想 | コメント(-) | 20021103154837 | 編集



 電話の向こうで、伊庭が少し考え込む気配がした。
 「やっぱり止めておけよ。憎む相手なんていない方がいいんだよ」
 そうかもしれない。
 たとえ、憎しみが喪失感を少し軽くするのだとしても、憎しみなどない方がいいのだ。
 どちらにせよ、彼はもう戻らないのだから。


 ―喰らいついてこい!
 あのとき、あなたがぼくの背中を踏みつけて飛び立ったように、ぼくはあなたの背中を踏みつけて、これから飛ぶ。
 それを、おこがましいとは考えない。
 ぼくの勝利は、ぼくだけのものではない。



 過酷な競技に挑む男たちがいる。
 自転車ロードレース。日本では知名度が低いマイナー競技。
 元陸上選手で18歳でレーサーに転向した白石誓ことチカはチーム・オッジに所属する新人選手。
 白石は自分の役割はアシストにこそあると自負している。
 同期で天才肌のスプリンター・伊庭、チームを牽引するベテランエース・石尾。
 それら実力ある選手を補佐し上位に食い込ませるアシストが白石の仕事。
 必要とあらば彼らを勝たせるために先陣を切り活路を拓く。

 噛ませ犬。
 捨て駒。 
 踏み台。

 が、白石は卑下しない。
 一定の実力をもちながら自分の本質はエースを助けチームを支えるアシストにこそあると割り切り、誇りを持つ。
 これは自転車に命を賭けた男たちの物語である。
 白石が憧れる石尾はふだんぼんやりしているがレースになると人が変わったようなエネルギッシュな走りを見せ、同期で既に頭角を表す伊庭は石尾の後継者として将来のエースの座を有望視されている。
 同世代の輝ける才能を目の当たりにしながら白石は嫉妬に苦しむことなく、ただ走ること、しがらみを振り切ってだれよりなにより自由になることを望む。

 白石は過去の体験から学んだ。
 自由を手に入れるには勝利への欲が障害になると。
 勝利を期待する周囲の重圧から解き放たれ、ただ純粋に風を感じ走りたいと。

 「いちばんにゴールする意味がわからないんだ」
 そう呟く白石を伊庭は逃げていると非難する。
 白石は順位に興味を持たず勝利に執着しない。
 レーサーである以上表彰台に立ちたい気持ちはある。
 だがそれ以上に大切なこと、尊いものがある。

 崇高なる犠牲。
 サクリファイス。
 自転車レースに絶対必要な存在。
 それなくしてはチームが成り立たない黒子たち。

 仲間の為に身を捧げ尽くす行為を外側から偽善と嘲るのは簡単だが、選手はそれを承知の上で悲壮な覚悟を固め、葛藤や苦悩を克服し、夢を託したエースを最前線に送り出す。
 チームで参加した者はエースを勝たせる為にあえて先発し集団のスピードを引き上げる。
 やがてスタミナが切れて順位が下がることを承知しながら、エースがもっとも走りやすい状況を兵站し維持する。
 犠牲。
 その重さ。
 その代償。
 これはロードレースに青春を賭けた男たちの物語だ。
 エースは無名の犠牲の上に成る勝利を義務として課され、ある者はチームに献身し貢献する行為に喜びを見い出す。
 それらの対比が鮮やかに浮き彫りにする持てるものと持たざるものの優劣。
 本書に登場する選手はそれぞれの価値観と信念を胸に秘め自転車を駆る。
 若手の台頭を快く思ってないと噂される石尾、上昇志向旺盛で傲慢な伊庭、事故でチームを去った袴田など、新旧の意地とプライドが交錯し静かに激しく火花を散らす。
 個人の勝利と引き換えてまでも尽くす価値と意義を信じればこそ白石は走り続ける。
 そして悲劇がおこる。

 風が頬打つ疾走感あふれるレース描写、抜きつ抜かれつの競り合いは心理的駆け引きも絡めて白熱し、チカとシンクロし手に汗握ってしまうこと請け合い。
 好きなキャラは淡白な白石とは対照的にがっつく伊庭。
 次代のエースと有望視される天才肌の若手で、実力を鼻にかけた振る舞いゆえチーム内で孤立していたが、レースに対する白石の考えや姿勢に感化され、他者の為に走る行為にだんだんと敬意を表するようになる。
 先輩を先輩とも思わない生意気なやつなんですが、実力あるくせにサポートに徹する白石を歯痒く思って噛みついたり発破をかけたり、かと思えば感情に任せて口走った失言を悔やんであとでぼそっと謝ったり、いつもが傍若無人なだけにたまに見せるしおらしさにギャップ萌え。
 富士のレースで白石に借りを返した姿は最高にかっこよく惚れ直しました……!
 スポーツ小説としても充実の読み応えでしたが、終盤に仕掛けられたどんでん返しの連続も憎い。 
 巧みなミスリードによって「彼はこういう人はなんだ」とすりこまれた先入観があざやかにひっくり返され、思いもよらぬ真相が浮かび上がってくる瞬間は感動もの。
 天才と凡人、主役と脇役、勝者と敗者。
 そんな短絡かつ両極端な二元論では語りきれない世界がある。
 己が信じたもののため身を賭して走り続けるストイックかつ情熱的な姿は孤高が人の形をとったようで、終盤明らかになる「彼」の究極の決断には衝撃を受けた。
 
 サクリファイス [sacrifice]
 犠牲。供犠(くぎ)。
 
 勝負の神は残酷で代償なくしての勝利などありえない。
 才能あるものは世に出る義務がある。
 望まれて世に出たものはサクリファイスの遺志を継ぐ使命を帯びる。


 行けよ。
 
 最後数ページ、逝ってしまった人間が背負ったものの重みと託したものの尊さに胸が熱くなった。 

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021103154836 | 編集

朱唇 (中公文庫)朱唇 (中公文庫)
(2010/03)
井上 祐美子

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 「愛しいなら愛しいと、その腕で抱いてくださらなければ、女は理解できません。
  ことばでなら、いくらでもいえるけれど、あたしはそんなものは信じない、信じられない……」


 中国歴代の王朝を華麗に彩る妓女を主役に据えた短編集。
 中国で妓女や花街というと日本の吉原のような有名どころがぱっと思いつかなかったんですがやっぱあったんですね。
 収録作に登場するのはいずれも芯が強く機転が利き魅力的、弱さと強さを秘めた妓女たち。
 井上裕美子の筆致は艶かしくも風雅に、好む好まざるにかかわらず苦界に身を沈めた彼女らの悲恋と生き様を綴る。
 遊郭ものは好きでよく読むんですが、この話にでてくる妓女たちのしなやかかつしたたかな生き様には惚れ惚れしますね。
 特に印象的なのは「背信」「牙娘」「断腸」でしょうか。
 「牙娘」
 男勝りの鉄火肌、客にもたびたび手を上げる気性の荒さ故に牙娘をあだ名され敬遠される妓女を何故か気に入り通い詰める謎の男。
 ある日牙娘が彼に持ちかけた相談とは……
 客のえり好みが激しく気に入らない相手には徹底的に突っかかる牙娘の心意気に惚れる。
 反りが合わずに敵視していた姉貴分が不当に辱められたと知るや義憤に燃えて復讐を企み、見事それを成し遂げる痛快さに拍手。こういう気の強い娘さんは大好きです。気が強いだけじゃなく最後に乙女らしい一面をちらりと見せてくれるのが乙ですね……欲を言うならもっと長い話で読みたかった。いいキャラしてるのにさらっと短編で終わっちゃって惜しい!
 「背信」は女の狡さ弱さを一番感じた話。
 借金のかたに売り飛ばされそうになった妓女が妻子ある恩人に恋するも……
 すれ違いが切ない。どんだけ願いを聞き入れ抱いてやれと思ったことか。
 琴心の行為は確かに許されざる背信なんだけど同情の余地はあるというか、同性としては彼女の方に感情移入してしまうなあ……高潔さ故に身を滅ぼした男と、恋に殉じようとして殉じ切れなかった女の話。もっともやりきれなさが残りました。
 他にも才知にとんだ妓女が吝嗇な商人を騙す「玉面」、売れっ子妓女と道楽にかまけ国を傾けた無能な皇帝の話「歩歩金蓮」など面白かった。
 妓女という境遇がら惚れた男と添い遂げられず遊郭に囲われて暮らすのですが、そんな環境の中でもけっして悲観せず己が売る芸と色に矜持をもち、明るさや愛嬌を失わずに生きる姿が素敵です。
 登場する妓女がもっと不幸だったらもっと後味悪い小説になったんでしょうが、おしゃまで前向きな娘が多く、男に虐げられるばかりじゃなく、腕力で叶わないならと頭と口と心意気でとむしろ彼らを翻弄してみせるさまが際立っているので決して滅入るばかりじゃありません。
 「断腸」はこの中で唯一男娼が主人公の話。
 
 それを見て張魁はそれみたことかと、今度はあからさまに鼻を鳴らした。
 わずかに灯された燭台のあかりがその横顔を照らし出す。
 傲慢無礼な態度にもかかわらず、そうやって嘲笑った張魁の横顔ははっと息を呑むほど整っていた。
 白皙の顔というが、女の柔らかな美しさとはまた異なる硬質な顔の輪郭や、媚びることのない仕草が妖気とも瘴気ともなんとも言い難い空気を醸し出す。


 美貌と芸とを併せ持つ奢れる若者・張魁。
 後見人の寵愛と庇護を得て何不自由なく暮らしていたが、心の中には常に満たさぬ思いを抱いていた。
 そんな彼がある悲劇に見舞われて……

 冒頭から愛人(男)との閨ごとで幕を開けたのでびびりました。が、思わずのめりこんで読んでしまいました。腐なので。
 前半は顔見知りの妓女と組んで痛快な仕返し劇を組んだ張魁ですが、後半では国の衰亡や世の移り変わりに翻弄され流離いを続ける。
 若輩ものに「卑しい男娼風情が!」と罵られながら、生来の気位の高さ故に引き下がれず孤立していく姿が痛々しい。
 年を経るごとに意固地になって行った彼が、絶頂期を過ごした今は廃墟の花街で知る人生の真実、その皮肉な巡りあわせ……
 彼がもう少し謙虚でまわりに対する思いやりがあったなら運命は変わっていたのではと思えてなりません。
 読後理解に至るイトルの意味が重いです。実はこの張魁が「朱唇」の語り手の老人なのでは……と勘ぐったのですが、そうなると色々整合性が矛盾するので違うんだろうなあ。
 
 どれも趣向を凝らした佳作ぞろいなのですが、一番を選ぶなら最後に収録された「名手」。
 地方に左遷された官吏は琵琶の名手の噂を聞きつけ、部下とともに宴の席に向かうのだが……
 この官吏のなんとも飄々としたキャラがいい。部下の青年も純朴で憎めず、二人のかけあいにほのぼのします。
 なんといっても描写が綺麗。笛と琵琶の掛け合いの場面にはため息がでます。

 上司が「聞けばわかる」と言った意味がわかった。
 笛の音が再び、流れはじめた。
 琵琶に呼応して、李がまた新たな音を紡ぎはじめる。お互いにまったく別の曲を奏でながら、微妙に重なり微妙に途切れる、まるでひそやかな会話をするようなやりとりがいつまで続いただろう。


 まるで瞼の裏に川辺の情景が浮かんでくるよう……
 最後にさらりと明かされるとぼけた官吏の正体も憎い。余韻が引きたつ演出です。

 全体的に「こんなおいしいネタやキャラをあっさり数十ページの短編にまとめちゃうのか……!」というもったいない感が否めませんが、それでも読んで損ない!恵泉の水で淹れた茶のような上質の文章に酔い痴れて心が豊かになったような気がします。
 遊郭こぼれ話も面白かった。鳥篭の鸚鵡や愛玩犬が呼び鈴がわりとは風流な……纏足や辮髪についても詳しくなれます。

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異国遊郭もの。ふみのキャラがいい。

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読んだ本感想 | コメント(-) | 20021102123006 | 編集



 誰かが言った。この二つには共通点があるのではないか。
 一つは時折マスメディアをにぎわす集団自殺のニュース。そしてもう一つは人間が殺し合う娯楽ビデオが存在するという都市伝説。出会いや遊びが目的のオカルトサークルに所属する福永祐樹は、ネットで偶然見つけた自殺サイトに興味を持ち、集団自殺の現場となったというある廃墟にたどり着く。だが祐樹が目覚めた時、彼を含むサークルメンバー11名は密室に閉じ込められていた…。
 戦慄の密室サスペンス。


 謎の建物に閉じ込められた十一人は悪意ある存在によってあるゲームに強制的に参加させられる。
 人を食う魔物が存在する世界。
 殺した人間の皮を被り、村人の中に紛れこんだ魔物によって夜を越すごと食われる犠牲者たち。
 村人たちの勝利条件は生き残りの数が下回る前に魔物の正体を突き止めること―……。

 設定やゲームの内容は米澤さんの「インシテミル」に近いですね。ゲームの勝者=生き残りに口止め料をかねた莫大な賞金が提示されるところも同じ。ですが「インシテミル」が極限状況にありながらどこか遊び心をまじえたライトタッチ、よくいえばゲーム的なロジックで展開したのに比べ、こちらは錯綜する人間関係や重苦しい心理描写が比重を占める割合が大きい。どうしても雰囲気は陰鬱になります。
 主人公の福永は大学で知り合った恋人・亜美や高校時代からの親友・小泉、後輩で唯一の高校生・藍らとともにこのゲームに参加を余儀なくされるのですが、生き残る為に合理的な思考を重ね議論を促す彼と藍が次第に仲間から疎外され孤立していく過程は皮肉を感じました。本人たちは生き残る術を模索し、議論という最も効率的な対応策をとろうとしたのですが、「この中に魔物なんていない」「よく知る友人がそんな恐ろしい事をするわけない」という先入観(あるいは希望的観測)に縋りつく他のメンバーはそれに拒絶反応を示す。
 疑惑、不信、対立、裏切り、迫害……
 後半にいくにつれメンバーが減り、生き残った側も明日は我が身と追い詰められ、各々まとっていたペルソナをかなぐり捨てる。負の感情が渦巻く密度が高くなって息苦しいほど。
 その中で最年少の藍の計算高さ、冷静さは際立っています。「冷たすぎる」「この中で人を殺せそうなのはあなたしかいない」と指弾される福永も相当ですが、おもに彼の視点にそって物語が進行するため、彼にはそこまで不快感や嫌悪感を抱きません。感情移入の勝利。客観的にはかなり異様なんでしょうが……
 見所はやっぱり密室に閉じ込められた十一人の関係性の変化ですね。本書の七割が登場人物たちの議論や推理で占められています。
 誰が魔物で魔物でないか、裏切り者はだれか。
 恐怖は暴走を促す。
 魔女狩りを防ぐため冷静な議論をしようとすればするほど孤立していくジレンマにはらはらドキドキ。
 ナビゲーターとして登場するうさぎの言動や村人が食われるごと変化を遂げていく絵がまた不気味さを盛り上げて……
 
 面白かったんですがいくつか不満も。
 終盤で正体が明らかになる「魔物」はあるキャラに片思いしてたんですが、どうもその描写が弱い。
 私が見落としてる可能性もあるんで断言はできないんですが、魔物の正体が判明した段階になって初めて提示された要素のような気がしてアンフェアに感じました。恵美のベクトルはとてもわかりやすかったのに。
 福永と小泉の高校時代の「タブー」も肩透かしかなあ……
 プロローグから意味深に匂わせていたからゲームの黒幕の動機に関連づけてしまったんですが、福永が小泉の人間性を批判し否定する攻撃の材料とされただけで、じゃああんなに思わせぶりに引き延ばす必要なかったじゃんよーと。
 てっきりそれに絡んだ復讐かと勘ぐっちゃった。
 ゲームの黒幕や裏側が全く明かされないのは解説されないのは構いません、ネタ晴らししちゃったら逆に「なんだー」ということになりかねないですし作者が読ませたいのはそこじゃないんだろうなあ……と理解してます。作中何度も言及された藍の姉が実は……とか妄想を逞しくしてたんですが(笑)
 あと、会話の間に挟まれる福永の思考というか、心理描写がちょっと鬱陶しかった。
 「」「」と続かず合間合間に必ずそのキャラの描写や情動が入る感じで、表情の変化や目線の動きに気を配る意図は理解できても読むのにつまずきました。
 一番それを顕著に感じたのは僕わたしは魔物じゃないアピールタイム、下巻の持ち回り自己紹介。
 キャラが自分の性格や趣味について言及するたび福永と絡んだエピソードや彼の視点から見た人物評が挿入されるんですが、そのせいでブツ切りになっちゃって……
 上手いとは思うんですけどね……ちょっとしつこすぎたかな。「凭れる」「冷たい」の多用も気になった。
 カルネアデスの板とかシェレディンガーの猫とかそれっぽい単語が好きな人だな、というのも印象に残りました。
 著作リストを見れば一発でわかりますがラプンツェルの翼とかツァラトゥストラへの階段とか同系統だもん……。
 ぶっちゃけこれもそういうタイトルにすればよかったのに。「殺戮ゲームの館」なんて直球タイトルださいよ購買意欲湧かないよ。山田悠介は好きくないんですがタイトルセンスでは勝ってますね、あっちは騙されそうになるもの……。 
 一番人間らしい行動をとったのに魔物が気の毒すぎる……とか藍一人勝ちじゃんとか若干すっきりしないものは残りますがでも面白かったです!
 バトルロワイヤルのような血しぶきぶしゅっどばっのグロ的派手さはありませんが、サイコスリラーとしては手堅く出来てると思うので、そういうのがお好きな方はどうぞ。

 でも斬魔刀とかださいよー……だいなしだよー……。

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